

この記事は、月1万円でも実践できるリバランスの設計図です。
リバランスの目的、3つのやり方(売却・買い増し・許容レンジ)、推奨頻度、実務フロー、よくある誤解の整理までをまとめました。
土台づくりはインデックス編とつみたて枠で外さない基準も参照してください。
\まずはNISA口座の準備から/
なぜリバランスするのか(目的と原則)
リバランスの目的は「リスク(ブレ幅)を狙い通りに保つ」ことです。
上がった資産は比率が重くなり、下がった資産は軽くなります。
放置すると意図せぬ“攻め”や“守り”に傾くため、元の配分へ戻す=リスクを元に戻すのがリバランスです。
原則(初心者向け)
- 売らずに「買い増しで戻す」を最優先(心理的に続けやすく、手数料・スプレッド負担も小さめ)。
- 売却で戻すのは年1回点検など、頻度を限定。
- ルールは事前に数値化(例:ズレが±5ptまたは相対±25%超で戻す)。
3つのやり方(比較表)
まずは全体像を把握しましょう。
方法 | 概要 | メリット | 注意点 | 月1万円での実務 |
---|---|---|---|---|
買い増しで戻す | 不足している資産だけを追加で買って比率を戻す。 | 心理的に続けやすい。売却コストや悩みが少ない。 | 毎月の積立額が小さいと戻るのに時間がかかる。 | 基本戦略。増額月(ボーナス)を活用して一気に戻す。 |
売却で戻す | 比重が重くなった資産を売却して比率を戻す。 | スピーディに狙いの配分へ戻せる。 | 売る判断が難しい。約定・スプレッド負担。課税口座では税も発生。 | 原則は年1回点検で実施可。NISA内は税はかからないが、売却で空いた枠は翌年以降に復活し、当年の年間投資枠に上乗せされない点に注意。 |
許容レンジ方式 | 目標配分に対し許容幅(バンド)を持ち、超えたら戻す。 | 過剰な売買を抑制。メリハリがつく。 | バンド設定を誤ると放置になりがち。 | 例:絶対±5pt or 相対±25%でアラート→買い増しで調整。 |
※スマホでは表が画面幅を超えます。横にスワイプしてご覧ください。
※新NISAの売却で空いた非課税保有限度額(簿価分)は翌年以降に復活。当年の年間投資枠に上乗せなし。
月1万円・実務フロー(テンプレ)
初期設定(最初の3〜6か月)
- 商品は全世界 or 米国の低コスト投信1本を主軸(迷いゼロ戦略)。
- 積立日は給料日翌営業日、金額は1万円(動作確認は100円→即1万円)。
- 評価は月1回だけ。配分は「目標:実績」をメモ。
運用中(半年以降)
- 毎月、不足している資産へ寄せて買う(買い増しで戻す)。
- ズレの閾値を±5pt(または相対±25%)に設定。超えたら積立先を一時的に偏らせる。
- ボーナス時は増額で一気に戻す(売却は原則しない)。
- 年1回は棚卸し(売却調整も選択肢)。NISA内は税はかからないが、回転しすぎはコスト要因に注意。
例:60(株式)-40(債券)モデル
目標:株60%・債40%。
実績:株65%・債35%(ズレ5pt)。
→次月は債券ファンドに優先配分。ズレ解消まで債券へ多めに積立し、解消後は等分へ。
\つみたては仕組み化が9割/
よくある誤解Q&A(判断をシンプルに)
Q1.毎月リバランスしたほうが安全?
いいえ。
頻度が高すぎると過剰売買になり、手間も増えます。
月次点検+買い増しで戻す/年1回の売却調整で十分です。
Q2.常に等分がベスト?
目標配分は目的次第です。
長期の成長取りは株式比率高め、安定重視は債券比率を厚めが基本。
配分を変えるのは年1回の棚卸し時でOK。
Q3.NISAなら売却で戻してもOK?
NISA内の売却は税はかかりません。
ただし買い直しのタイムラグやスプレッドなどの取引コストはゼロではありません。
原則は買い増しで戻し、売却は年1回に限定。
Q4.為替が気になる時のリバランスは?
為替要因で株式が重くなったら、ヘッジあり/なしの使い分けも選択肢。
基本は買い増しで戻す+見ない仕組みで対応。
👉 先進国株 vs 全世界株 / 全世界 vs S&P500
心理バイアス対策(やめない工夫)
最新バイアスへの対処
- 通知を減らし、点検は月1回だけに限定。
- 評価メモは「配分のズレ」だけ。価格や損益は見過ぎない。
サンクコスト錯誤の回避
- 銘柄に固執せず、配分ルールに従う。銘柄の良し悪しより配分優先。
- 新規でより低コスト・乖離の小さい商品が出たら、新規積立の受け皿を切替(全面乗換は年1回の棚卸しで検討)。
まとめ
ポイント
- 目的はリスクを元に戻すこと。パフォーマンス狙いで振り回されない。
- 買い増しで戻す+年1回の棚卸しが月1万円でも再現性が高い。
- ズレの基準は±5pt(相対±25%)など、数値で先決めして迷いを減らす。
- ※新NISAは売却で空いた枠が翌年以降に復活。当年の年間投資枠に上乗せなし。


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