

この記事は、薬剤師のリスク許容度を3分で判定し、NISAの配分をテンプレ化するための実務ガイドです。
基礎の復習は👉 NISAの基本 と 👉 投資信託の超入門 を先に読んでおくと理解が速いです。
\まずは非課税×積立の土台づくりから/
リスク許容度とは(薬剤師の前提)


薬剤師は一般に収入が安定しており、毎月の積立を継続しやすい職業です。
その一方で夜勤やシフトでメンタル負荷が高い時期があるため、相場に触れる頻度を減らす設計が相性良しです。
土台は👉 ドルコスト平均法 と、低コスト・インデックスの組み合わせにしましょう。
3分チェックテスト(合計点→推奨テンプレ)


設問 | 選択肢 | 点 |
---|---|---|
1) 投資の目的期限 | 10年以上/5〜10年/1〜5年 | +3 / +2 / +1 |
2) 生活防衛資金(生活費の) | 12か月分以上/6〜12か月/〜6か月 | +3 / +2 / +1 |
3) 月次のキャッシュフロー | 黒字安定/やや黒字/ときどき赤字 | +3 / +2 / +1 |
4) 値下がり20%時の行動 | 積立継続+買い増し/積立継続/積立停止・売却 | +3 / +2 / +0 |
5) 相場を見る頻度 | 月1回以下/週1回/毎日 | +3 / +2 / +1 |
※スマホでは表が画面幅を超えます。横にスワイプしてご覧ください。
合計点の目安:13〜15=攻め型/9〜12=標準型/4〜8=守り型
各テンプレ型の根拠
チェックテストの点数に応じて導かれる型は、以下のような考え方に基づいています。
攻め型(株90%前後)
- 投資の目的が長期(10年以上)
- 生活防衛資金を12か月以上確保し、毎月のキャッシュフローも黒字安定
- 20%下落時も積立を継続、むしろ買い増しができる
- 相場を毎日見ない(月1〜週1程度)ため衝動的な売買を避けられる
家計の「リスク容量」と心理的な「リスク許容度」の両方が高い場合、株式比率を大きく取る攻め型が合理的です。
標準型(株80%前後)
- 生活防衛資金は6〜12か月分を確保
- キャッシュフローは黒字だが、下落時に大きな買い増しは難しい
- 相場は週1回ほど確認するが、必要以上に気にしない
多くの人にとってバランスが良く、リスクとリターンの調和が取れた配分です。迷ったらまず標準型から始めるのがおすすめです。
守り型(株60%前後)
- 生活防衛資金が6か月未満、または収入・支出に波がある
- 相場の変動に心理的なストレスを受けやすい
- 投資の目的期間が比較的短い(5年以内〜中期)
リスクを抑えて「続けられること」を最優先にする型です。短期の目標がある人や精神的な安定を重視する人に向いています。
合計点の目安:13〜15=攻め型/9〜12=標準型/4〜8=守り型を目安に、次のテンプレから選びましょう。
配分テンプレ3型(株:債券:現金)


テンプレ | 基本配分(株/債券/現金) | 構成例(投信) | 向いている人 | ポイント |
---|---|---|---|---|
攻め型 | 90% / 10% / 0% | 全世界株 or S&P500 90%/国内外債券 10% | 目的10年以上・下落耐性あり | 期待リターン↑、変動も大きい |
標準型(推奨出発点) | 80% / 20% / 0% | 全世界株 70%+S&P500 10%/債券 20% | まずはここから | 成長と安定のバランス |
守り型 | 60% / 40% / 0% | 全世界株 50%+S&P500 10%/債券 40% | 値動きに弱い・期限短め | ブレを最小化し継続重視 |
※現金は原則「別口座の生活防衛資金(6〜12か月)」で確保。投資内で現金を持つ場合は、債券の一部を最大5%まで現金に置換して合計100%を維持してください。
※商品選びは低コスト・インデックスを基本に。詳細は👉 薬剤師のNISA商品ガイド を参照。
\配分が決まったら、積立まで一気に/
夜勤・シフトでも崩れない設計(現金クッションと積立日)


急な出費やシフト変動に備えて、生活費の6〜12か月分は別口座で確保します。
積立日は資金切れが起きにくい給与日後に固定し、相場判断を排除します。
暴落時の行動は事前に決め、👉 暴落プレイブック の手順通りに機械的に処理しましょう。
年1回のメンテとNISA枠の扱い


点検の型は👉 年次メンテのチェックリスト を参照してください。
新NISAでは、売却した分は簿価(取得金額)相当で翌年以降に枠が復活します。
当年の年間投資枠に上乗せは不可なので、計画的に使い切る設計がコツです。
※金融機関を変更した場合、売却で復活した枠を再利用できるのは「変更後のNISA口座」に限られます。
まとめ
ポイント
- 3分チェックでリスク許容度→テンプレ配分(攻め型/標準型/守り型)。
- 現金クッション6〜12か月と給与日後の積立固定でメンタルを守る。
- 年1回のメンテ&±5%で微調整。NISA枠は簿価ベースで翌年復活、当年上乗せ不可。


\非課税の土台づくりはここから/
👉 次の記事はこちら:暴落時の動き方(薬剤師版プレイブック)
参考・出典
- FINRA「Know Your Risk Tolerance」:https://www.finra.org/investors/insights/know-your-risk-tolerance
- FINRA「Risk(投資リスクの基礎)」:https://www.finra.org/investors/investing/investing-basics/risk
- CFA Institute「Risk Tolerance and Circumstances」:https://rpc.cfainstitute.org/…/risk-tolerance-and-circumstances(PDF版:直接PDF)
- 全国銀行協会「あなたのリスク許容度診断テスト」:https://www.zenginkyo.or.jp/…/risktest/(解説ページ:https://www.zenginkyo.or.jp/…/7222/)
- 野村アセットマネジメント「リスク許容度とは?」:https://www.nomura-am.co.jp/…/risk-tolerance.html
- 金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(制度概要・枠再利用の注意):PDF/資料コーナー:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/book/
※本記事のリスク許容度チェックは、上記一次情報の考え方(心理的な許容度と家計的な許容量の区別等)を踏まえ、薬剤師の勤務実態に合わせて再構成した独自の簡易スクリーニングです。