先輩、「逆指値」「追跡指値」「返済予約」を確実に使い分けられるようになりたいです。価格の入れ方や期間指定まで、実務の型を教えてください。

後輩ちゃん

カブヤク
順番は「逆指値で守る → 追跡指値で伸ばす → 返済予約で型にする」。まずは損切りを必ず同時に置くところから始めよう。
本稿は、松井証券アプリで使う逆指値・追跡指値(トレール)・返済予約(IF-DONE)を、失敗しにくい数値例つきで整理した実務ガイドです。
最短ルートで「建てた瞬間から守る」運用を定着させます。
\最短で安全にスタート/
全体像(3つの役割)
- 逆指値:不利方向に到達(トリガー)したら執行。損切りの自動化が主目的。
- 追跡指値(トレール):有利方向へ進むと、あらかじめ決めた幅で利確ラインが自動でついていく。反転で執行=利益の固定。
- 返済予約(IF-DONE):新規注文に対し、利確指値+逆指値を同時予約。ヒューマンエラーを減らし「置き忘れゼロ」。
追跡指値って、結局は“移動する逆指値”のイメージで合っていますか?利確と損切りのどちらを優先すべきか悩みます。

後輩ちゃん

カブヤク
考え方は近いね。利が乗ったら「利益の確保」を優先、乗っていないうちは「損失限定」を最優先にする。順序を決めておけば迷わないよ。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。
逆指値:まず“守り”を固定する
基本の入れ方
- 買いのとき:「○円以下になったら売る」(売りの逆指値)。
- 売り(空売り)のとき:「○円以上になったら買い戻す」(買いの逆指値)。
- 予約値段は成行(指成/成行)を基本:急変時の“通りやすさ”を優先。※滑り(約定ズレ)は許容幅で管理。
数値の目安(初期テンプレ)
- 低ボラ銘柄:−3〜4%
- 中ボラ銘柄:−4〜5%
- 高ボラ・薄板・材料直後:−6〜8%+100株ずつの分割
有効期間の注意
- 予約値段が指値の場合:有効期間は当日限定(「週末まで/期間指定」は選べない)。
- 予約値段が成行の場合:「当日/週末まで/期間指定」が選択可。
成行だと滑りが怖いのですが、やはり通しやすさを優先すべきでしょうか。

後輩ちゃん

カブヤク
まずは通すこと。許容スリップを事前に帯で決めておけば、想定内のズレにできる。サイズは小口、照会を起点に素早く寄せよう。
追跡指値(トレール):伸びたら“勝手に守る”
幅の決め方(ATR基準)
- 直近20日のATRが20円なら、幅=20円前後から試す。
- 勢いが強いときは少し広げ、もみ合いは狭める。頻発執行=幅が狭すぎのサイン。
運用のコツ
- 高値更新が続く日は“置き直し”不要で利を確保。反転で自動利確。
- 薄板やギャップが出やすい銘柄は、段階利確+逆指値に切り替える選択も有効。
有効期間の注意
- 予約値段が指値:追跡指値も当日限定(週末/期間指定は不可)。
- 予約値段が成行:週末まで/期間指定 可。
- PTS(PTSJ)では成行が使えないため、PTSを選ぶと週末/期間指定は使えない前提になる。
ATRの値はどこで見るのが実務的でしょうか。毎回計算するのは時間がかかってしまって…。

後輩ちゃん

カブヤク
チャート指標でATR表示が出せるならそれで十分。出せない環境なら、直近の平均足幅で代替して0.8〜1.2倍の幅から始めよう。
返済予約(IF-DONE):“型”でミスを消す
使いどころ
- 新規と同時に利確指値+逆指値を自動セット。「置き忘れ」「置き遅れ」を無くす。
- 日中に張り付けない日、決算・重要指標の前後など、想定外の変動に強い。
可否と制約
- 利用可:現物/信用/一日信用/先物・OP(条件あり)。
- 利用不可:NISA 口座、PTS(PTSJ)、一部の条件付き注文。
- 元注文の約定後、値幅審査で失効する場合がある(制限値幅に触れる等)。状態は注文照会で確認を。
有効期間
- 原則として当日/週末まで/期間指定から選択可能(ただし上記の制約に抵触しない範囲)。
NISAやPTSで返済予約が使えないのは、どう切り替えて対応すればよいでしょうか。

後輩ちゃん

カブヤク
NISAは手段を限定、PTSは成行不可・予約不可が理由だ。通常市場でIF-DONEを使うか、利確指値+逆指値を手動で同時に置いて型を再現しよう。
\最短で安全にスタート/
ケーススタディ(数値でイメージ)
Case1:押し目買い→利を残しつつ撤退
- 新規:1,500円(指値)×100株
- 逆指値(損切り):1,440円(−4%)成行
- 利確指値:1,590円(+6%)
- 運用:IF-DONEで「逆指値+利確」を同時予約。上に走れば利確を1,620円へ段階引上げ。
Case2:ブレイク順張り→追跡指値で同伴
- トリガー:1,200円上抜けで新規買い
- 追跡幅:直近ATR18円 → 幅20円
- 運用:高値更新が鈍れば幅を25円へ広げ、ノイズ執行を回避しつつ利益を追う。
Case3:材料直後で板が薄い→サイズ分割×帯管理
- 発注は100株×複数で刻む。利確は段階指値、損切りは逆指値を成行で置く。
- 歩み値が止まれば一旦フラット。深追いしないのも戦略。
よくあるつまずきと直し方
- 逆指値を後回し:新規と同時に置く。返済予約を基本形にして“置き忘れゼロ”。
- 追跡幅が狭すぎ:ノイズで頻発執行。ATR×0.8〜1.2を起点に再設定。
- 予約が発動しない:NISA/PTS/条件指定の可否、成行/指値×期間の組合せ、値幅制限への抵触を点検。
チェックリスト(発注前30秒)
- 逆指値は成行寄りで“必ず同時に置く”。
- 追跡指値の幅=ATR×0.8〜1.2を確認(狭すぎ注意)。
- 返済予約の可否(NISA/PTS/条件)と期間(当日/週末/期間指定)を確認。
- サイズは100株×複数に刻み、板に合わせて寄せる。
- 照会タブ起点で訂正/取消の動線を確認(失効・審査注意)。
チェックが習慣化できれば、ヒヤリとする場面が減りそうです。まずは小口から反復してみます。

後輩ちゃん

カブヤク
それが近道だね。型で回し、照会から訂正・取消の動線を身体で覚える。焦らず、次の一手に集中しよう。
まとめ
守りは逆指値で固定、伸ばしは追跡指値で自動化、ミスは返済予約で型に落とす。
この3点を徹底すれば、忙しい日でも“建てた瞬間に守れる”運用へ。
あとはサイズを刻み、照会を起点に素早く寄せていけばOKです。
ポイント
- 逆指値は新規と同時に置く(成行寄りで通りやすさ優先)。
- 追跡指値=ATR基準で幅を決め、ノイズ執行を抑える。
- 返済予約はNISA/PTSで使えない。成行/指値×期間の組合せも必ず確認。
- サイズは100株×複数、板に合わせて“帯”で管理する。
ありがとうございます。逆指値は必ず同時、追跡指値はATR基準、返済予約の可否と期間も毎回チェックします。まずは小口で練習して慣れていきます。

後輩ちゃん

カブヤク
それでいい。型で回せば迷わない。約定後の状態は照会で必ず確認、無理に追わずに次へ繋げよう。
\最短で安全にスタート/