株の始め方/初心者ガイド

同カテゴリ乗り換えの作法|“より低コスト・小乖離”に出会ったらどうする?【新NISA対応・月1万円】

先輩、今つみたて中の投信より信託報酬が安い新商品を見つけました。すぐに全部乗り換えた方がいいですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
焦って全面スイッチはNGだよ。基本は「新規積立の受け皿を切替」→「既存はそのまま」の段階移行。売却が必要ならコスト差・乖離・方針変更・NISA枠の扱いを確認してからにしよう。

 

この記事は、既存のつみたて投信より条件の良い商品を見つけたときの“同カテゴリ乗り換え(Like for Like)”の判断基準と実務手順をまとめます。

月1万円でも効く判断フロー、NISA特有の注意点(簿価復活・同年再利用NG)、ETF乗換の落とし穴まで網羅します。

前提知識はつみたて投信の選び方目論見書・運用報告書の読み方をどうぞ。

 

\まずはNISA口座の準備から/

 

結論:原則は“受け皿の切替”で十分

 

全部売って乗り換えるより、受け皿の切替だけでいい理由は何ですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
一括売却はタイミングリスク事務負担が大きいからだよ。受け皿を変えるだけなら市場を外す時間がゼロで、運用の継続性が保てる。

 

  • 新規積立の受け皿を新ファンドへ切替(当面“二本持ち”でOK)。
  • 既存ファンドは原則ホールド。評価が安定していれば放置で問題なし。
  • 売却は実質コスト(TER)差が大きい/指数乖離が恒常的に大きい/方針・指数変更など明確な理由があるときに限定。

 

👉 全体像は「乗り換え判断フロー」で後述します。
👉 年次点検は“5分チェック”を参照。

 

NISA特有の注意点:売って乗換の“副作用”

 

NISAで売って買い直すと何が問題ですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
新NISAは売却しても当年の投資枠は戻らないのが肝だよ。枠は翌年以降に簿価(取得価額)ベースで復活する仕組みなんだ。

 

  • 同年再利用不可:売却しても当年の年間投資枠は復活しない。
  • 翌年以降に簿価復活:復活額は取得価額相当(評価額ではない)。
  • 売却→即時買い直しは、市場を外す時間枠の非効率を招きやすい。

 

※例:取得10万円→評価12万円で当年に売却しても、その年の枠は戻りません。翌年以降に“10万円(簿価)”分の非課税保有限度額が復活します。

 

👉 仕組みの詳細は簿価復活のルール売却と枠の再利用を参照。出口は取り崩しガイドへ。

 

“受け皿切替”の実務:5分で完了する手順

 

実際の操作はどうすればミスが少ないですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
ポイントは「止めずに、切り替える」。給料日翌営業日の自動積立は維持しつつ、新ファンドを受け皿に設定しよう。

 

  1. 新ファンドの目論見書・運用報告書で、信託報酬・総経費率(TER)・指数・乖離を確認。
  2. 証券会社の「つみたて設定」で新ファンドを追加し、旧ファンドは金額を段階的にゼロへ(即ゼロでも可)。
  3. 積立日は給料日翌営業日×毎月に固定(頻度比較はこちら)。
  4. 半年〜1年で積立比率が自然に新ファンド優位になるのを待つ。

 

※既存ファンドを売らなければ、当年の非課税枠を無駄にせず、市場から離れる時間もゼロにできます。

 

乗り換え判断フロー(保存版)

 

“売るべきか・そのままか”を素早く決めるフローが欲しいです。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
下の順で判定しよう。基本線は受け皿切替のみ、売却は例外対応だよ。

 

判断ポイント YESのとき NOのとき メモ
新ファンドは同カテゴリで、コスト最安級&乖離が小さい 受け皿切替でOK 現状維持 指数・連動手法も確認(完全/サンプリング)。
実質コスト(TER)差が年0.10%以上あるか 切替の優先度↑ 切替は急がない 差が小さいなら無理に売却しない。
旧ファンドに方針変更・乖離拡大・純資産悪化があるか 売却検討 保有継続 売却はNISA枠・簿価復活も併せて判断。

※TER差0.10%は目安。積立額・保有期間・商品の特性で“効き方”は変わります。

 

\まずはNISA口座の準備から/

 

ETFの乗り換えは別物:コストの“実費”に注意

 

投資信託ではなくETF同士の乗り換えはどう考えますか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
ETFは売買手数料・スプレッド・為替手数料(海外)など“実費”が乗る。月1万円規模では乗換メリットが薄くなりやすいよ。

 

  • 信託報酬差だけでなく、売買・スプレッド・為替の総コストで比較。
  • 受け皿切替(今後の買付変更)に寄せ、既存は原則そのまま。
  • 配当再投資が手間なら、ETF→投信へ“受け皿切替”も選択肢。

 

👉 詳しくは米国ETFの手数料・為替の実務国内ETF vs 米国ETFを参照。

 

よくある誤解Q&A

Q1.最安ファンドを見つけたら“全売りして即乗換”が最速?

原則NO。

受け皿切替だけで目標は十分達成できます。

全売りは市場を外す時間とNISA枠の非効率が生じやすいです。

 

Q2.旧ファンドの積立をゼロにしたら、すぐ解約すべき?

売却必須ではありません。

評価が安定しているならそのまま保有で問題なし。

売却は方針変更・乖離拡大など明確な理由があるときに限定。

 

Q3.つみたて枠・成長投資枠で毎月分配型はアリ?

いずれの枠でも毎月分配型は対象外です。

再投資で複利を効かせる設計が前提のため、乗換時の候補にも基本含めません。

 

ポイント(乗り換えの型・結論)

  • 受け皿切替が基本。旧ファンドは原則そのまま。
  • 売却はTER差が大きい/乖離拡大/方針・指数変更に限定。
  • NISAは同年枠が戻らない。翌年以降に簿価で復活する仕組みを理解して判断。

 

まとめ

 

ポイント(今日から実行する3手)

  • 新規積立の受け皿を切替(旧は当面ホールド)。
  • 売却は例外対応。TER差・乖離・方針変更で合理性を確認。
  • 年1回の軽点検、問題なければ“何もしない”。

 

“切替だけでいい”なら今すぐ実行できます。売るかどうかは年次点検まで様子見にします。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
それで十分合格。仕組みを変えずに品質だけ底上げしよう。次の給料日前に設定を済ませよう。

 

\受け皿を切替えて“外さない”運用へ/

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