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チャイナショックが日本経済に与えた影響と日経平均株価の回復

チャイナショックではどれぐらい下落して、回復までどれだけの期間がかかったんですか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
カブヤク調べだと下落率が-27.3%、回復までに778日(約2年)かかった計算になるよ。

 

中国経済の急成長が世界市場に影響を与える一方、その減速は新たな波紋を広げています。

特に2015年のチャイナショックでは、中国株式市場の急落が日経平均株価にも大きな打撃を与えました。

背景には、不動産市場の低迷や個人消費の停滞があり、これらは国内外に広がる経済リスクを生み出しています。

 

アメリカだけでなく、中国の経済も日本に影響があるんですね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん

 

さらに人民元切り下げによる輸出競争力の向上は、新興国通貨への悪影響を伴い、金融市場の混乱を招きました。

日本企業も中国依存度の高さから収益低下や輸出競争力の低下に直面し、国内外で課題が浮き彫りになっています。

このような状況は、日本経済全体に波及し、多角的な対応が求められる局面となりました。

 

カブヤク
カブヤク
今回はチャイナショックの背景や、チャートからデータ分析をしていくよ。

 

ポイント

  • チャイナショックは中国経済の減速や政策変更が原因で、世界経済や市場に影響を与える現象である。
  • 2015年には中国株式市場の急落が発生し、日経平均株価も大幅に下落する結果となった。
  • 中国経済減速の原因には不動産市場の低迷や個人消費の停滞があり、世界市場にも波及している。
  • 人民元切り下げは輸出競争力を高める一方で、新興国通貨への悪影響を引き起こした。
  • 日本企業は中国依存度の高さから収益低下や輸出競争力の低下に直面し、国内外で課題が生じた。

 

チャイナショックとは?日経平均株価への影響を解説

この章ではチャイナショックと日経平均株価への影響について解説します。

 

チャイナショックの定義と背景

チャイナショックとは、中国経済や政策が引き金となり、世界経済や市場に大きな影響を与える現象のことです。

その背景には、中国の急速な経済成長と、それに伴う輸出増加や国内市場の拡大があります。

特に注目されたのは、2001年の中国のWTO加盟後に輸出が急増し、世界各国の製造業に競争圧力をかけたことです。

また、2015年には中国株式市場の急落が世界的な株安を引き起こし、これもチャイナショックとして知られています。

このような現象は、日本経済にも深刻な影響を与え、日経平均株価の乱高下を招く要因となりました。

 

チャイナショックが発生した主な要因

中国経済減速の原因

中国経済減速の主な要因は、不動産市場の低迷や個人消費の停滞です。

例えば、不動産価格が下落し続けることで資産価値が減少し、消費意欲が低下する「逆資産効果」が発生しています。

また、製造業投資も鈍化しており、半導体や太陽光発電など先端分野でも過剰生産能力が問題視されています。

これらは、中国国内だけでなく世界市場にも波及するリスクを持っているのです。

 

人民元切り下げと世界経済への波及効果

人民元の切り下げは、中国製品を安価にし輸出競争力を高める一方で、新興国通貨のデフレショックを引き起こす可能性があります。

例えば、2015年8月の人民元切り下げでは、世界的な株安と為替市場の混乱が発生しました。

さらに、日本企業においても、中国市場で得られる利益が削減されるなど、業績悪化につながるケースが見られました。

 

日経平均株価に与えた具体的な影響

チャイナショックによって日経平均株価は大きく変動しました。

2015年には中国株式市場の急落を受けて日経平均も値を下げ、その後も米中貿易摩擦や人民元切り下げによる影響が続きました。

例えば、2015年8月には上海株式市場の急落とともに日経平均も下降し、一時的に円高傾向が強まったことで輸出企業への打撃が拡大。

このような状況では、安全資産への資金移動が進み、日本国内でも投資心理が悪化しました。

さらに、中国依存度の高い日本企業は売上減少や利益率低下など直接的な影響を受けることにもなったのです。

これらは日本経済全体にも波及し、政策対応や市場対策が求められる状況となりました。

 

中国の問題が日本にも影響があるんですね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん

 

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過去のチャイナショックが日本経済に与えた影響とは

この章では過去のチャイナショックが日本経済に与えた影響について解説します。

 

2015年のチャイナショックと日経平均株価の急落

2015年の夏、中国株式市場で発生した「チャイナショック」は、日本経済にも大きな影響を及ぼしました。

この時期、上海総合指数は1か月で30%以上下落し、世界的な株価暴落を引き起こしたのです。

日経平均株価も例外ではなく、2015年8月には約12%下落。

この背景には、中国の人民元切り下げや製造業の低迷があったのです。

中国の購買担当者指数(PMI)は49.7と、3年ぶりに50を下回り、景気後退を示していました。

さらに、原油価格も6年ぶりの低水準に達し、日本を含む多くの国で市場心理が悪化しました。

 

当時の日本企業への影響(輸出産業、製造業など)

チャイナショックは特に輸出産業や製造業に深刻な打撃を与えました。

中国市場への依存度が高い日本企業、特に自動車や電子機器メーカーは大きな影響を受けました。

例えば、自動車輸出減少し、電子機器も全体的に需要が低迷。

また、中国国内での消費減少により、日本から輸入される製品の需要が急激に縮小しました。

これにより、多くの企業が収益低下を余儀なくされ、株価も大幅に下落しました。

 

金融市場の混乱と投資家心理の悪化

金融市場では、不安定な状況が続きました。

投資家はリスク回避姿勢を強め、安全資産である円や金への資金移動が進みました。

その結果、円高が進行し、日本企業の輸出競争力がさらに低下してしまったのです。

また、中国市場への過剰依存が露呈し、多くの投資家が日本株から撤退する動きも見られました。

 

リーマンショックとの比較から見る影響規模

リーマンショックと比較すると、チャイナショックは規模や性質が異なります。

リーマンショックは金融システム全体への影響が中心でしたが、チャイナショックは主に中国経済の減速による実体経済への影響が顕著でした。

ただし、両者には共通点もあります。

どちらもグローバル市場に波及し、日本経済にも深刻な影響を与えた点です。

リーマンショック時には日本のGDP成長率が大幅にマイナスとなりましたが、チャイナショックでは一時的な停滞に留まりました。

 

▼過去の暴落・ショックについて知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

 

過去の教訓から学ぶ日本経済の課題

チャイナショックから得られる教訓として、日本経済は以下の課題に直面しています:

  • 輸出依存からの脱却
    中国市場への依存度を減らし、多角的な貿易戦略を構築する必要があります。

  • リスク分散と安定的な成長基盤
    国内需要を拡大し、外部ショックへの耐性を高める政策が求められます。

  • 投資家心理への対応
    市場安定化策や情報提供を通じて、不安定な状況下でも投資家信頼を維持することが重要です。

 

これらの課題解決には政府と民間企業双方による取り組みが不可欠です。

 

カブヤク
カブヤク
アメリカだけでなく、中国の動向にも日本は振り回されていることがわかるね。

 

チャイナショックをチャートでみる

この章ではチャイナショックをチャートで見てみましょう。

 

チャートから見るチャイナショックの下落率や回復期間

データ提供元:TradingView

ここでは以下のように定義してチャート、データを見ていきます。

 

定義

  • 2015/8/18:この日を日経平均株価の基準日とする
  • 2015/8/19:中国経済減速懸念や人民元切り下げで急落開始
  • 2016/6/24:底(回復日までの終値で一番低いところ)
  • 2016/7/11:チャイナショック終了(ここから急上昇)
  • 2017/10/4:回復(2015/8/18の株価を基準)
  • 数値は終値

 

ポイント

  • 下落率:-27.3%
  • 下落幅:-5,603
  • 下落期間の日数:311日
  • チャイナショック終了までの日数:328日
  • 回復までの日数:778日(約2年)

 

チャイナショックは一度ドカンと下がり、回復してきましたがさらに下へ下へと進んでいきました。

2016/2/12に一度底をついたように見えましたが、レンジ相場で2016/6/24に再度同じ位置まで落ちてきたので今回は6/24を「底」と判断。

結局、回復までに約2年もの月日を費やしました。

 

カブヤク
カブヤク
底だと思ってもさらに下がる、また同じ位置に戻ってくるとなるとメンタルがやらねるね。

 

チャイナショックに備える投資戦略とリスク管理のポイント

この章ではチャイナショックに備える投資戦略とリスク管理のポイントについて解説します。

 

個人投資家が知っておくべきリスク管理方法

投資を行う際、リスク管理は成功の鍵となります。

特にチャイナショックのような市場の急変時には、冷静な判断と適切な準備が必要です。

まず、リスクを分散させることが重要です。

具体的には、一つの資産や市場に集中せず、複数の資産クラスや地域に分散することで、特定のリスク要因による損失を軽減できます。

また、自己資金の範囲内で投資を行い、借入金に頼らないことも基本です。

市場が急落した場合でも、心理的な余裕を持つためには、生活費や緊急時の資金を確保しておくことが大切です。

さらに、定期的にポートフォリオを見直し、市場環境や自身の目標に応じて調整する習慣をつけましょう。

これにより、変化する市場状況に柔軟に対応できます。

 

長期投資視点で捉える日経平均株価の動向

日経平均株価は短期的には変動しますが、長期的には経済成長や企業収益と連動して上昇する傾向があります。

そのため、一時的な下落に過剰反応せず、長期的な視点で保有を続けることが重要です。

例えば、新NISA制度を活用すれば、税制優遇を受けながら長期投資が可能です。

また、日本企業は近年、自社株買いや配当増加など株主還元策を強化しています。

このような背景から、中長期的な株価上昇が期待されます。

ただし、市場全体ではなく個別銘柄ごとの成長性や財務状況も確認し、自身の投資方針に合った銘柄選びを心掛けましょう。

 

プロアクティブな情報収集と市場分析のコツ

市場変動への対応力を高めるためには、プロアクティブな情報収集と分析が欠かせません。

AIやビッグデータ分析ツールなど最新技術を活用すれば、市場トレンドやリスク要因を迅速かつ正確に把握できます。

また、ニュースやSNSから市場心理を把握する「センチメント分析」も役立ちます。

例えば、大手企業の決算発表や政策変更など、市場に影響を与えるイベント情報はリアルタイムで確認しましょう。

さらに、自身で仮説を立てて検証する習慣も重要です。

「このニュースはどのセクターに影響するか」「将来どんなトレンドになるか」といった問いかけから始めることで、市場分析力が向上します。

このように、多角的な視点と具体策でチャイナショックへの備えを万全に整えることが可能です。それぞれの戦略は独立して活用できるだけでなく、組み合わせることでより効果的になります。

 

カブヤク
カブヤク
~ショックで振り回されるのは短期~中期のトレーダーが多いね。長期であればどっしり構えていて大丈夫だよ。

 

まとめ

ポイント

  • チャイナショックは中国経済の減速や政策変更が原因で、世界経済や市場に影響を与える現象である。
  • 2015年には中国株式市場の急落が発生し、日経平均株価も大幅に下落する結果となった。
  • 中国経済減速の原因には不動産市場の低迷や個人消費の停滞があり、世界市場にも波及している。
  • 人民元切り下げは輸出競争力を高める一方で、新興国通貨への悪影響を引き起こした。
  • 日本企業は中国依存度の高さから収益低下や輸出競争力の低下に直面し、国内外で課題が生じた。

 

今回はチャイナショックで急落した株価の回復期間と要因について説明してきました。

実際にチャートを見てみると、上がってきても下げられ、底をついたと思ってもまた戻りと、ヤキモキさせられる展開だったことがわかります。

回復に約2年もかかっているので、チャイナショックに巻き込まれた人はかなり苦しい展開だったでしょう。

その間、退場させられないためにも資金に余力を残す、分散投資をする、信用取引のルールを決めるなどをし、退場させられないトレードしていきましょう。

 

アメリカだけでなく、中国の経済状況も見ておいた方がいいんですね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
そうだね。どちらも世界に大きな影響を与える国だから、見ておくに越したことはないよ。

 

参考:

-株の勉強