

この記事は、投資信託の目論見書・運用報告書の要点を初心者向けに整理します。
信託報酬と実質コスト、純資産推移、指数乖離の見方、定期点検のフローまでひとまとめにします。
商品選びの土台はつみたて枠で買える投信の選び方、比較軸はインデックス・ETF・高配当・REIT比較も参照ください。
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まず結論:ここだけ見れば“外しにくい”


- 信託報酬:同カテゴリで最安級か(税抜・税込の表記に注意)。
- ベンチマーク:全世界=MSCI ACWI等、米国=S&P500等の王道か。
- 純資産残高・資金流入:規模が十分で右肩上がりか。
- トラッキング誤差:指数に対する乖離が小さいか(月次・年次)。
👉 迷ったら全世界 or 米国の低コスト投信1本×自動積立が基本線です。
目論見書の見るべき3点(コスト・指数・運用方針)


項目 | どこを見る | 目安・判断 | 注意点 |
---|---|---|---|
信託報酬 | 費用の項 | 同カテゴリで最安級 | 税込表記か確認。後で実質コスト(総経費率)も要チェック。 |
ベンチマーク | 運用方針の項 | 全世界=MSCI ACWI、米国=S&P500など | 指数連動の手法(完全/サンプリング)も確認。 |
分配方針 | 分配に関する方針 | 原則再投資型 | 毎月分配型はつみたて枠・成長投資枠とも対象外。 |
※2024年4月以降、交付目論見書にも総経費率(TER)の掲載が整備され、購入前の比較材料として利用できます。
※つみたて投資枠の指定インデックス投信の手数料上限(税抜)は、国内株式0.5%、内外・海外株式0.75%が目安です。該当しない商品でも、同カテゴリ内で最安級かを基準にしましょう。
👉 制度の要件はつみたて枠の基準を確認。
運用報告書の核心:実質コストと指数乖離(トラッキング誤差)


- 実質コスト(総経費率):運用報告書で過去期間の実績値を確認(年率ベース)。2024年4月以降は交付目論見書にもTERの記載が整備。
- トラッキング誤差:指数との乖離。月次・年次レポートで「ベンチマークとの差」を確認。
- 純資産・資金流入:規模が小さすぎると繰上償還リスクが高まりやすい。右肩のものが安心。
👉 コストや乖離で明確に優位な新商品が出たら、“同カテゴリ内”で新規積立の受け皿を切替が基本です。
\点検は年1回でOK。異常がなければ“何もしない”/
年次の点検フロー(保存版)


- 運用報告書で実質コスト(総経費率)を確認(同カテゴリ比)。
- 月次・年次レポートで指数乖離が許容範囲か確認。
- 純資産・資金流入のトレンドを確認(右肩か)。
- 方針変更・ベンチマーク変更など重要告知がないかチェック。
👉 配分のズレは年1回のリバランスで“買い増しで戻す”が基本です。
よくある誤解Q&A
Q1.信託報酬が最安なら中身は何でもOK?
いいえ。指数の妥当性と乖離の小ささが同等に重要です。
極端なテーマ型は長期の積立と相性が悪い場合があります。
Q2.実質コストは毎年同じですか?
いいえ。市場環境や規模で変動します。
運用報告書の実績値を毎年更新して比較しましょう(2024年4月以降は交付目論見書のTERも参考)。
Q3.分配金が多いほど良いですか?
つみたて投資枠の基本は再投資で複利です。
毎月分配型は対象外なので注意しましょう(成長投資枠でも対象外)。
配当を受け取りたい場合は別途戦略を(例:高配当vsインデックス)。
ポイント(書類の“ここだけ”チェック)
- 目論見書:信託報酬・指数・分配方針。
- 運用報告書:実質コスト(TER)・指数乖離・純資産推移。
- 年1回の軽点検で十分。問題なければ“何もしない”が最良行動。
まとめ
ポイント(今日から使える型)
- 買う前=目論見書でコスト・指数・分配方針。
- 買った後=運用報告書で実質コスト(TER)・乖離・規模。
- 年1回の軽点検、問題なければそのまま継続。


\今日から一歩。設計図を読んで“外さない積立”へ/