S高やS安になった翌日、どこまで動く可能性があるんですか?

後輩ちゃん

カブヤク
鍵は「基準値段」→「値幅ティア」→「翌日の基準値段」の順に当てはめること。表で型を押さえよう。
このページでできること:値幅制限(ストップ高/安)の仕組み、基準値段と翌日の理論上限/下限の出し方、特別気配・臨時拡大の注意、実務での指値・逆指値の置き方を3分で把握できます。
対象:デイトレ/スイングでギャップや張り付きに備えたい初心者〜初中級者。
値幅制限の基本と“基準値段”
値幅制限って毎日どうやって決まるんですか?

後輩ちゃん

カブヤク
各銘柄の基準値段に、価格帯ごとの値幅ティアを適用して、その日の上限=ストップ高/下限=ストップ安が決まるんだ。
基準値段って前日終値で固定ですか?

後輩ちゃん

カブヤク
原則は前日終値だけど、特別気配で引けた場合はその気配値、配当落ち・権利落ち・分割/併合などの調整がある日は取引所告知の値が基準になるよ。
用語のカンタン整理
- 基準値段:その日の値幅計算の土台。原則は前日終値。例外として特別気配で約定せず終了した場合は気配値、イベント日は告知値。
- 値幅ティア:価格帯に応じた±幅。基準値段が帯をまたぐと適用幅が変わる。
- 特別気配/連続約定気配:急激な値動きを抑えるための気配制度。張り付き時は寄り付かずに引けることがある。
早見表|“翌日の理論値”の出し方
※横にスクロールしてご覧ください。
当日シナリオ | 当日の基準値段 | 当日の値幅(ティア) | 当日S高/安(上限/下限) | 翌日の基準値段 | 翌日の値幅(ティア再判定) | “翌日の理論値”の考え方 |
---|---|---|---|---|---|---|
S高で引け(張り付きで約定成立) | 前日終値(原則) | 該当帯の±幅 | 前日終値+幅 | 当日終値(=S高値) | 新基準値段の帯で再計算(帯変更の可能性) | 理論上限=新基準+幅。ギャップアップ寄り付きに注意。 |
S安で引け(張り付きで約定成立) | 前日終値(原則) | 該当帯の±幅 | 前日終値−幅 | 当日終値(=S安値) | 新基準値段の帯で再計算 | 理論下限=新基準−幅。ギャップダウンを想定。 |
場中S高→剥がれて引け | 前日終値(原則) | 該当帯の±幅 | 到達はするが引け値はS高値以外 | 当日終値(S高値ではない) | 終値の帯で再計算 | 翌日の上限/下限は終値ベースで見積もる。 |
特別気配のまま約定せず引け | 前日終値(原則) | 該当帯の±幅 | 特別気配表示継続 | 特別気配値=翌日の基準値段 | その値が属する帯で再計算 | 新聞等の終値とズレることがある点に注意。 |
分割/併合・配当落ち・権利落ち等 | 取引所告知の調整後基準値 | 調整後価格帯で幅設定 | 告知どおり | 翌日も終値ベースで継続 | 帯は調整後価格で判定 | イベント日は告知の基準値を最優先。 |
注:基準値段=前日終値等(例外あり)。臨時拡大(後述)適用日は値幅が通常と異なる。
臨時拡大(値幅の一時拡大)と特別気配の基礎
値幅が突然広がる日があるのはなぜですか?

後輩ちゃん

カブヤク
2営業日連続でS高/安張り付き・売買不成立などの条件を満たすと、翌営業日から一時的に値幅が拡大される制度があるんだ。詳細条件は取引所告知で確認しよう。
特別気配/連続約定気配の超要約
- 急変抑制のため、需給が乖離すると特別気配を表示し、更新値幅ごとに価格を調整。
- 約定が継続的に発生する際は連続約定気配で制御される。
- 終日約定せず特別気配で終了すると、その気配値が翌日の基準値段になる。
“翌日の理論値”の手順(テンプレ)
- 当日の基準値段を確認(原則は前日終値。特別気配・イベント日は例外)。
- 該当する値幅ティアを当て、当日の上限/下限を把握。
- 大引けの翌日の基準値段=当日終値(特別気配で未約定の場合は気配値)。
- 翌日の帯を再判定し、理論上限=基準+幅/理論下限=基準−幅を算出。
- 寄り付きは需給で変動。理論値は“目安”として使い、板気配・出来高で微調整。
実務での使いどころ
明日の指値はどう置けば安全?

後輩ちゃん

カブヤク
理論上限/下限±αで分割し、同時に逆指値も重ねる。寄り前は特別気配の更新と板の空白をチェック。
ミスを減らすコツ
- 1本勝負の太指値は避ける。数量を3〜5分割。
- 成行で板を飛ばさない。出来高が薄いと事故になりやすい。
- S高/安張り付き銘柄は寄り前の気配更新を数回確認(寄らず/剥がれ対策)。
全体停止の仕組みも併せて把握しておくと判断が速くなります。
NG例/よくある誤解
- 「翌日の基準は常に前日終値」→ 原則だが例外あり。特別気配で未約定引けは気配値が基準、配当落ち・権利落ちは調整後基準。
- 「S高で引けたら翌日も同じ幅」→ 翌日は当日終値を基準に帯を再判定。帯が変われば幅も変わる。
- 「理論値まで必ず届く」→ 需給と気配制御次第。寄らずや比例配分も想定する。
FAQ(よくある質問)
Q. 値幅ティアの具体的な金額はどこで見る?
A. 取引所の値幅制限表や各社ヘルプに掲載。
イベント日は告知の基準値を最優先。
Q. 終日S高のまま約定せず引けた場合、翌日の基準は?
A. 特別気配値が翌日の基準値段になります。
新聞掲載の終値と食い違う場合があるので注意。
Q. 値幅の臨時拡大はいつ起こる?
A. 複数営業日連続で張り付き・売買不成立など一定条件で、翌営業日から拡大。
個別銘柄ごとに適用。
まとめ
ポイント
- 当日:基準値段→ティア→上限/下限、翌日:当日終値(または特別気配値)→ティア再判定→理論上限/下限が型。
- 張り付き未約定で引けた日は翌日の基準=特別気配値に置き換わる。
- 臨時拡大やイベント日は通常と異なる値幅・基準値。必ず取引所告知を確認。
- 指値は分割+逆指値で事故を防ぎ、寄り前は気配更新で微調整。
理論の出し方は分かりました。明日の準備は何ですか?

後輩ちゃん

カブヤク
翌日の基準値で幅を再計算→指値と逆指値を分割→寄り前の気配と出来高で最終調整、の順でOKだよ。
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急変時のルールと取引時間の例外を先に押さえると、無用な損失を避けられます。