

PEGレシオは、PERを企業の成長率で調整して比較しやすくするための指標です。
成長が速い企業ではPEGが小さくなり、中立〜割安寄りに見えることがあります。
一方で成長が鈍い企業ではPEGが大きくなり、割高寄りに見えることがあります。
30秒で要点|式・ねらい・目安を一発で
- 定義:PEG=P/E(PER)÷ EPSの年成長率(%)です。
- ねらい:成長の速さを加味してPERの見え方を整える補助指標です。
- 目安:おおむね1倍前後が中立で、1未満は割安寄り、1超は割高寄りと解釈します(目安)。
ひとことで言うと|成長を加味したPER
PEGは「成長スピードを考慮したPER」です。
まずはPERの意味(株価が利益の何倍か)を押さえます。
次にEPSの年成長率(%)を用意して、PERを成長率で割ります。


計算式と考え方|%の扱いまで迷わない
式
PEG=PER÷成長率(%)。
%の扱い
算式は“%をそのまま分母”で説明するのが一般的です(例:20%→「20」で割る)。
考え方
PER(株価÷EPS)は同業比較や時系列比較で使う基礎の倍率です。
PEGはそのPERに“成長の速さ”という速度情報を重ね、評価の偏りをならします。
前提:成長率の定義
成長率が0%・マイナス、または赤字期は、PEGが実質的に意味を持たないため解釈しません。
例題で計算|手を動かして感覚をつかむ
例1:中立
企業A:PER20倍、EPS成長率20% → PEG=20÷20=1。
例2:割高寄り
企業B:PER15倍、EPS成長率5% → PEG=15÷5=3。
例3:割安寄り
企業C:PER30倍、EPS成長率40% → PEG=30÷40=0.75。


自分の監視銘柄でも、同じ表で計算してみましょう。
使い方のコツ|同業比較・時系列・注意点
同業比較
- 業界ごとに成長水準が違うため、まずは同業内で相対比較します。
時系列比較
- 同じ企業でも、景気局面や投資局面でPEGは動きます。
注意点
- 四半期の単発成長や臨時要因を年成長と混同しない。
- 0%やマイナス成長のときはPEGを使わない(実質的に意味を持たない)。
- PEGだけで結論にせず、複数指標をセットで見る。
グロース株とバリュー株|“見えすぎ/見えなさすぎ”をならす
グロース株の見方
成長率が高く、PERも高くなりがちです。
PEGを使うと、成長の速さを踏まえた“割高に見えすぎ”のズレをならせます。
バリュー株の見方
PERは低くても成長率が低いことが多いです。
PEGでならすと、割安に見えすぎるケースを避けられます。
ズレの理由を探す
なぜ1未満か、なぜ1超か。
ズレの理由(投資局面、業績の一時要因、会計方針など)を注記で確認します。


データの集め方|無料で押さえる
PERの取り方
- 証券会社の銘柄ページで確認できます(指標欄に掲載)。
EPS成長率の求め方
- 会社予想やアナリスト予想の「今期→来期」で概算します。
- 年率換算や算出基準はサイトごとに差があるため、注記を読みます。
管理表の作り方
- 列は「銘柄/株価/EPS/来期EPS/成長率/PEG」で作ると便利です。
予想値の注意
- PEGは“予想”に依存します。前提が変われば数値も動く点を覚えておきましょう。
よくある勘違いベスト3|ここだけは外さない
- 成長率が0%やマイナスのときに無理にPEGを語ってしまう。
- 売上成長率とEPS成長率を混同してしまう。
- 特益・特損でゆがんだEPSをそのまま使ってしまう。
関連指標と次の一歩|基礎に戻って精度を上げる
基礎に戻る
まずはPERの意味と計算に戻って、倍率の基礎を固めましょう。
まとめ|今日から使う着眼点
ポイント
- PEG=PER÷成長率(%)で、成長の速さを加味して評価を整えます。
- 1倍前後が中立の目安で、1未満は割安寄り、1超は割高寄りです(目安)。
- 同業比較と時系列で使い、0〜マイナス成長や臨時要因に注意します。


学びを実務に活かす準備ができたら、次の手順へ進みましょう。
\市場の反応をリアルタイムで追う準備を/