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「売っても枠が戻る」はこう使う|新NISAの売却・再投資のコツと落とし穴【月1万円の実務】

先輩、「新NISAは売っても枠が戻る」と聞いたのですが、いつ・いくら戻るのかイメージが湧きません、月1万円の私でも使いこなせますか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
ポイントは“翌年以降に簿価(取得価額)相当額が生涯投資枠へ復活”“同年中には戻らない”の2点だよ、仕組みを分解すれば月1万円でもムダなく回せる。

 

この記事では、新NISAの売却と枠の再利用(簿価復活)を、初心者でも迷わないように実務目線で解説します。

いつ戻るか・いくら戻るか・戻るまでの過ごし方乗り換え(スイッチング)の段取り現金化の順番、そして月1万円の設計までを一気に整えます。

 

関連:つみたて枠 vs 成長枠の使い分け生活防衛資金の目安リバランス完全ガイド

 

\まずはNISA口座の準備から/

 

仕組みの全体像:「翌年以降に簿価分が復活」— ここを勘違いしない

 

“簿価が復活”って具体的にどういう意味ですか、時価じゃないんですよね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
そのとおり、戻るのは売却時の時価ではなく取得価額(簿価)で、復活は売却した翌年以降だよ、同じ年のうちに空けた枠をそのまま再利用はできないんだ。

 

  • 戻る額:取得価額(簿価)相当額。含み益・含み損は無関係。
  • 戻る時期:売却した年の翌年以降に、生涯投資枠(総額1,800万円/うち成長枠上限1,200万円)の空きとして復活。
  • 同年再利用不可:年内は復活しないため、“デイトレ的な回転で枠を空ける”ことはできない
  • 重要な注意:復活分がその年の「年間投資枠」に上乗せされるわけではない。翌年以降、年間投資枠の範囲内で再投資を進める設計が必要。
  • 配当・分配金:新NISA口座内は国内税が非課税。海外ETF等は現地源泉が発生(国内では非課税)。

 

具体例で理解する(テーブルで時系列)

「簿価復活」の動きを、シンプルな例で追ってみましょう。

 

出来事 金額 生涯投資枠の残りの見え方 メモ
2025年 新NISAで投信を購入(簿価10万円) 10万円 生涯枠1,800万→1,790万(仮) 簿価は取得価額10万円
2025年 年内に売却(時価12万円) 12万円で売却 枠は年内は戻らない 売却益は非課税
2026年 簿価復活 簿価10万円分が復活 生涯枠1,790万→1,800万(仮) 翌年以降、年間投資枠の範囲で再投資

※“戻るのは簿価”であり時価ではありません、また年内の再利用はできません。

 

👉 制度の土台は新NISAの基礎、枠の使い分けはつみたて枠 vs 成長枠で復習。

 

売却の優先順位と実務フロー(現金→特定→NISAが基本)

 

急な出費で現金が必要になったら、どこから崩すのが正解ですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
原則は現金→特定口座→NISA口座の順、NISAは非課税メリットが大きいから最後の最後に温存するのが基本だよ。

 

実務フロー(迷ったらこの順)

  1. 現金(普通預金・定期の一部):まずここで吸収。生活防衛資金は目安3〜6か月をキープ。
  2. 特定口座損益通算・繰越控除の余地があり税務の柔軟性が高い。
  3. NISA口座:売れば翌年以降に簿価復活するが、年内再利用不可を理解し、必要最小限に。

 

NISA売却の落とし穴と回避策

  • 年内に枠が空かない誤解:売ってもすぐは戻らない、資金計画は翌年以降の再投資前提で。
  • “全部乗り換え”のタイミング依存:一括売り→一括買いは価格変動リスクが大、分割ルールを決め段階移行。
  • サテライト過多:枠が貴重な人ほどコア(低コストインデックス)優先、配当・テーマは“うすく”。
  • (参考)旧NISAを保有中:整理が必要なら旧NISAからの売却優先も検討(税制や移管の可否は各社ガイドで要確認)。

 

“乗り換え”の判断基準:コスト・乖離・規模でGO/STOPを決める

 

より安い投信や乖離の小さい商品が出ると、乗り換えたくなります、どう判断すればよいですか。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
基本は“新規積立の受け皿を切り替える”でOK、全部を一度に入れ替えるより段階移行が安全だよ。

 

GOのサイン(乗り換え検討)

  • 信託報酬が同カテゴリー最安級へ更新(年率差は長期で効く)。
  • トラッキング誤差が小さい(指数連動の精度)。
  • 純資産規模が十分&資金流入が継続(スケールメリット)。

 

STOPのサイン(様子見)

  • テーマ特化・極端なボラなど、長期・分散・低コストの軸から外れる。
  • 運用年数・実績が乏しいのに、コスト差が微小で優位性が弱い。

 

段階移行のやり方(NISA内)

  • まずは新規積立の受け皿だけ切替。
  • 旧ファンドは売却→翌年以降に復活する簿価枠で、新ファンドへ日付分散のスポットで段階移行。
  • 大きな入替えは、半年〜1年の時間軸でゆっくり実行。

 

👉 併読:つみたて枠で買える投信の選び方ACWI vs FTSE Global All Cap全世界 vs S&P500

 

\まずはNISA口座の準備から/

 

月1万円・現実的な運用設計(年間スケジュール例付き)

 

月1万円だと枠の再利用はあまり関係なさそうで不安です、無理なく使いこなす設計を教えてください。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
大丈夫、“止めない毎月1万円+臨時収入は分割スポット”でコアを育てつつ、簿価復活は“来年以降の上乗せ余地”として扱えばいい。

 

基本の型

  • つみたて枠:全世界 or 米国の低コスト投信1本を毎月1万円(給料日翌営業日・自動積立・再投資型・通知オフ)。
  • 成長枠:サテライト合計10〜20%上限でETFや高配当・REITを“うすく”。
  • ボーナス等:3〜5分割でコアへ上乗せ(ボーナス活用参照)。

 

年間スケジュール例

  • 1月:設定点検(100円で動作確認→すぐ1万円へ、余力があれば+1,000円の階段上げ)。
  • 3月・9月:半年点検(家計余力→増額、資産配分ズレ→買い増しで戻す)。
  • 6月・12月:臨時収入を日付固定の分割スポットで投入。
  • 12月:翌年の簿価復活見込みをメモし、翌年の年間投資枠の中で上乗せ計画を作成。

 

👉 心理設計は月1万円シミュレーション配当 vs 再投資も参考に。

 

よくある誤解Q&A(短く要点だけ)

Q1.売ればすぐ枠が戻って再投資できますか?

いいえ、翌年以降に“簿価”相当額が復活します、同年内の再利用はできません。

 

Q2.枠が足りないからNISAを優先して売ってもOK?

基本は×、現金→特定→NISAの順を守ると非課税メリットを守れます。

 

Q3.乗り換えは一気にやった方が早い?

タイミング依存が強くなります、“新規積立の受け皿切替”→段階移行が安全。

 

まとめ

 

ポイント

  • 売却→枠は“翌年以降”に簿価相当額が復活(同年再利用不可・年間投資枠に上乗せされるわけではない)。
  • 崩す順番は「現金→特定→NISA」で非課税メリットを守る。
  • 乗り換えは“新規積立の受け皿切替”→日付分散で段階移行が基本。
  • 月1万円は「自動つみたて×分割スポット」、簿価復活は翌年以降の上乗せ余地として管理。

 

“翌年に簿価が戻る”という時間差と、崩す順番・乗り換え方が分かりました、まずは毎月1万円を崩さず来年の上乗せ計画に活かします。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
それで十分合格、焦らず仕組みを整えて半年ごとの点検で微調整していこう。

 

\“やめない仕組み×段階移行”で失敗を減らす/

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