記事に“効く”って書くと危ないと聞きました。どこまでがNGですか？
後輩ちゃん
カブヤク
まずは地雷を把握して“言い換えの型”で回避。断定・最上級・体験談の扱いに気をつけよう。
結論：一般向けの医療・健康記事では「断定の回避」「根拠の提示」「誤認を招く比較や体験談の抑制」を守れば大半の事故は避けられます。
この記事は、詰まりやすい表現をNG→OKで50例まとめ、今日から安全に書ける最小ルールを提示します。
1. なぜ気をつける？（対象と基本原則）
一般向けの医療・健康情報は誤認のリスクが高い領域です。
薬機法・医療広告ガイドライン・景品表示法の射程を踏まえ、次の3原則を守ります。
- 断定を避ける：効果保証・最上級・再現性の断定は書かない
- 根拠を示す：一次情報または公的情報に寄せる／研究の限界を書く
- 誤認を避ける：比較・No.1・体験談・ビフォーアフターは极力使わない
体験談って全部ダメ？
後輩ちゃん
カブヤク
宣伝目的の強い訴求は危険。必要最小限に“個人差がある”“参考情報”の注記を添えて、誇張を避けよう。
2. 地雷マップ（よくあるNGパターン）
- 効果の断定：「必ず治る」「確実に改善」
- 最上級・No.1：「日本一」「圧倒的に効果」
- 比較優良誤認：「他社より安全」「医師も絶賛」
- 体験談・症例の誇張：「○日で−10kg」「写真の加工」
- 未承認・適応外の推奨：「未承認だけど安心」
- 不明確な根拠：「研究で証明」「データあります」だけで示さない
※医療機関への誘引を目的とする体験談やビフォーアフターの掲載は、医療広告として認められません（厚労省の事例集・Q&Aの考え方）。
“数値を足せばOK”ってわけでもない？
後輩ちゃん
カブヤク
そう。数値は出典と前提条件がセット。対象・期間・限界も書こう。
3. NG→OK 言い換え50例（カテゴリ別）
各カテゴリごとに“そのまま置換”できる表現を用意しました。
OK文は必要に応じて出典・注記を添えて使います。
3-1 効果・効能（11例）
- 必ず効く → 効果には個人差がある
- 確実に改善 → 改善が期待できる場合がある
- 治る → 症状の軽減が報告されている
- 絶対に予防できる → 予防に役立つ可能性がある
- 一発で解決 → 対処の一例
- 万能 → 限界がある／状況により適さないことがある
- 副作用なし → 副作用が生じる可能性がある
- どんな人にも安全 → 体質や併用薬により注意が必要
- 医師不要 → 気になる症状は医療機関へ相談を
- 完治を保証 → 完治を保証するものではない
- 科学的に証明済み → 一部の研究で示唆されている
3-2 期間・即効（8例）
- ○日で必ず痩せる → 短期間での変化には個人差が大きい
- 1回で完璧 → 複数回の継続が必要な場合がある
- 即効で効く → 使用後に変化を感じる人もいる
- 何日で治ると断定 → 経過は症状や体質で異なる
- たった○秒で改善 → 短時間の対処として紹介
- 寝るだけで治る → 休息は回復の一要素
- 一夜で美肌 → 保湿などの基本ケアを継続
- 永久に持続 → 持続期間には差がある
3-3 比較・No.1（7例）
- 業界No.1（根拠なし） → 根拠（期間・対象・方法）を明記／第三者データ等の出典を提示
- 他社より安全 → 安全性に配慮／注意点を明記
- 最安 → 価格の目安／条件により異なる
- 圧倒的に優れている → 特長として◯◯がある
- 医師も絶賛 → 専門家の見解が分かれる場合がある
- 口コミ高評価No.1 → 一部の利用者の声
- 医学的に完全証明 → 研究の前提と限界を記載
3-4 安全性・リスク（7例）
- 完全に安全 → 安全性に配慮するがリスクはゼロでない
- 副作用ゼロ → 副作用の可能性／使用上の注意あり
- 誰でも使える → 妊娠・授乳中や治療中は医師へ相談
- 禁忌を省略 → 禁忌・注意事項を明記
- 根拠なし安全データ → 出典・データ範囲を明示
- 副反応は起きない → 副反応が出る可能性を説明
- 検査不要 → 必要に応じて受診・検査を推奨
3-5 体験談・症例（9例）
- 私も治った！（断定） → 個人の感想で効果を保証しない
- 写真の加工 → 加工なし／掲載許諾の範囲を明記
- ビフォーアフター強調 → 撮影条件を統一／参考例として提示
- 有利な例だけ掲載 → 限界・ばらつきも併記
- 芸能人の推薦で誘導 → ステマ回避／広告表記を明確に
- 症例数の誇張 → 集計期間・母数・定義を記述
- 未承認の“実績”紹介 → 適用外は紹介しない／医療機関情報は慎重に
- “誰でも成功”の表現 → 結果には個人差がある
- 失敗例を隠す → リスクと限界を明記
※個人SNSや第三者サイトの体験談でも、医療機関が依頼・便宜供与して誘引性があれば広告該当となり得ます。
3-6 価格・宣伝（8例）
- 今だけ半額（根拠不明） → 期間・条件・通常価格を明記
- 無料で治療 → 公費・保険の対象条件を説明
- 最安値保証 → 価格は変動／見積り例を提示
- 費用はかからない → 自己負担の有無・範囲を明確化
- 返金保証で安心 → 返金条件・手続を明記
- 数量限定で煽る → 在庫・終了条件を具体化
- 広告であることを隠す → 広告・PRの表記を明確に
- リンク先で条件変更 → 最新条件はリンク先で確認と注記
※医療用医薬品は一般向け広告が禁止。効能等の表現は承認範囲を逸脱できません（適正広告基準の考え方）。
4. 根拠と出典の付け方（最小ルール）
- 一次情報/公的情報を優先：厚労省・国立機関・PMDA等
- 出典の最低3点セット：著者名/発行年・タイトル・URL/DOI
- 研究の限界：対象・期間・デザイン（例：観察研究）を一言で
- 数値は半角、日付は西暦で統一
- 相手の可読性：本文は要約、詳細は末尾注記に逃がす
※広告該当性は「誘引意図・特定商品名・一般人が認知」の三要件で判断されます（薬機法の広告該当性の一般的整理）。
出典が多くなると読みにくい…
後輩ちゃん
カブヤク
本文は要点だけ、脚注や末尾にまとめる。読みやすさと検証性の両立だ。
5. 公開前チェックリスト（5分で回す）
- 断定語の除去：必ず・絶対・完治・No.1を検索置換
- 比較表現の棚卸し：条件・出典・期間を明示
- 体験談の整理：個人差の注記／加工・演出を控える
- 画像まわり：ビフォーアフター自粛／撮影条件の統一
- 広告表記：PR・アフィリエイトの明示（位置はCTA直前）
※注釈が切れて見える場合はスクロールしてください（スマホは横にスワイプ）。
6. トラブル時の対応（修正テンプレ）
外部から指摘を受けたとき
【一次対応】 1) 該当箇所を非表示 or 注記追記で暫定措置 2) 事実関係と根拠を再確認（出典・条件・期間） 3) 再発防止：言い換え・表記ルールを共有
※注釈が切れて見える場合はスクロールしてください（スマホは横にスワイプ）。
差し替えメモ（本文）
修正前：◯◯は必ず改善します。 修正後：◯◯は改善が期待できる場合があります（個人差があります）。
社内のガイド化はどう進めれば？
後輩ちゃん
カブヤク
今日の50例をテンプレ化して共有。新規原稿は“断定チェック”を通してから出そう。
7. まとめ（今日、整えること）
ポイントまとめ
- 断定・最上級・体験談の誇張は避け、条件と個人差を明記
- 根拠は一次情報/公的情報へ寄せ、研究の限界を書き添える
- NG→OKの言い換えをテンプレ化し、公開前チェックを徹底
わかりました。まず“断定語の置換”から回します。
後輩ちゃん
カブヤク
いいね。地雷を避けて、読みやすさと信頼性を両立しよう。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。
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