

この記事は、松井証券で「買える/売れる」までを最短で通す実務ガイドです。
注文件種→時間→条件→手順→トラブル→受渡しの順で、迷いどころを先回りでつぶします。
\最短で安全にスタート/
1. 注文件種は「成行・指値・逆指値」が核
成行(マーケット)—スピード最優先
価格指定なしで即約定を狙う発注。
強い上昇で「とにかくつかむ」時に有効です。
ただし板が薄い銘柄や寄付直後・引け前は滑り(想定より悪い価格で約定)が出やすいので、分割発注(一部を成行、残りを指値)で価格リスクをならします。
指値(リミット)—価格コントロール
希望価格を指定してコントロール。
約定は保証されませんが、思わぬ高値づかみ・安値売りを避けられます。
入力は呼値単位(価格刻み)と値幅制限を満たす必要あり。
勢いが強いときは、指値を浅く刻む・段階的に切り上げると置いていかれにくくなります。
逆指値(ストップ)—自動で守る/確定する
指定したトリガー到達で発注を起動。損切りの自動化や、含み益の確定(利益確定の逆指値)に使えます。
急変時は発注値どおりに通らないことがあるため、「トリガー値」と「発注値」の関係(成行で確実性優先/指値で価格管理)を決めておくと安定します。
+α:追跡指値(トレーリング)/返済予約
追跡指値は株価の上昇に合わせてトリガーが切り上がり、利を伸ばしながら下振れは早めに防ぎます。
返済予約は新規約定を基準に利確幅・損切幅を同時セット。
放置ミスを減らし、作業を前倒しできます。
ミニ事例
「1,000円で100株ほしい。勢いが強い」→ 50株を成行で確保、残り50株は995円の指値で待機。
取れなければ2〜3円ずつ切り上げ。取りこぼしと高値づかみの両方を抑えられます。
2. 取引時間と「終盤」のクセ
東証の時間とプレ・クロージング
- 前場 9:00–11:30/後場 12:30–15:30
- 後場の15:25–15:30はプレ・クロージング(連続売買が止まり、引けの板寄せ待機)
- 15:30に大引け(板寄せ)で終値決定
切替直前に入れた逆指値・条件付き注文は、市場受付のタイミング次第で間に合わず失効することがあります。
終盤は「早めに置く/数量を刻む」で事故を回避。
松井の注文受付(ネット・アプリ)
03:15–15:30/17:00–翌02:15(06:00–06:30は一時停止)。
引け直前は混みやすく訂正・取消が通りにくいので、段取りは前倒しが安全です。
PTS(JNX)の時間と性質
デイ 08:20–15:30/ナイト 17:00–翌02:00。
有効期間は当場のみ(デイ↔ナイトで持越し不可)。
場中と参加者・流動性が違うため、値が飛びやすい場面は指値で価格ガードを。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。
3. 執行条件と有効期間の最小セット
執行条件の使い分け
- 基本:条件なし(通常の成行・指値)
- 寄付/引け/大引け:板寄せの価格でまとめて約定を狙う
- IOC:当たる分だけ即時約定・残りは即失効(発注後の訂正・取消は不可)
- 最良(ベストマッチ):価格改善を狙う方式。11:29:50–11:30/15:24:50–15:30は東証立会への取り次ぎとなり、最良は使われない時間帯がある
有効期間の選択
- 当日/週末まで/期間指定(最長1か月)
- 寄付・引け・大引け・指成・大引指成・IOC は当日限り(約定しなければ失効)
実務のコツ
損切りは「トリガー少し手前→成行」で確実性優先、利確は「届いたら指値」で取りこぼしを減らす、と役割を分けると安定。
終盤は「先に置く」「数量を小口化」で失効・滑りを抑えます。
4. スマホの最短フロー
買い:6ステップ
- 銘柄検索 → 「買い」
- 数量(単元=100株が基本。ETF/REITは別単位の例あり)
- 値段:成行 or 指値(必要に応じて逆指値/追跡指値)
- 執行条件:基本は「なし」。狙いが明確なときだけ寄付/引け/IOC
- 有効期間:当日(または週末まで/期間指定)
- 確認 → 発注 → 注文照会で状態(約定/失効/待機)を確認
売り:5ステップ
- 保有一覧 → 銘柄 → 「売り」
- 数量(全部/一部)
- 値段:利確は指値、損切りは逆指値
- 返済予約で利確+損切りを同時セット(部分約定時の動作も確認)
- 確認 → 発注 → 通知ONで見落とし防止
寄付狙い/引け狙いの段取り
寄付:前日終値近辺で指値を置くか、寄付成行で確実性を優先。
引け:引け指成(大引成)で当日中の処理を確定。いずれも混雑前に配置すると安定します。
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5. よくある詰まりと直し方
価格の入力エラー
呼値単位・値幅制限から外れた値段はエラー。
とくにストップ高・安付近は一方向の注文が通りづらいので、成行を避けて指値に切替えるのが無難です。
時間帯の取りこぼし
終盤の逆指値が通らない/引けで失効→ 15:25の切替より前に余裕を持って置く。
引け指成・大引け指定は当日限りの前提で準備。
板が薄い/滑る
少量を成行で確保し残りを指値、または価格帯ごとに複数の指値で分割。
歩み値が飛んだ直後は深追いせず、呼吸を置いて再設計。
訂正・取消の勘違い
未約定なら原則可能ですが、IOCや板寄せ直前は通らないことがある。
迷ったら新規で置き直したほうが早い場面も多いです。
通知まわり
約定・失効に気づかない→ アプリ通知・メール通知をON。
重要なお知らせ(値幅拡大など)も拾えるようにしておくと事故が減ります。
6. 受渡し・資金繰りの基礎
受渡日
国内株の受渡はT+2(約定2営業日後)。
売買資金や株券の受け渡し日を前提に、出金や次の買付計画を組みます。
入出金の段取り
当日中に追加で買いたい場合は、反映の速い入金手段を用意。
出金は通常翌営業日以降なので、必要資金は前もって分けておくと計画が崩れません。
3つのルーチン
朝:板の厚み・出来高を確認/昼:未約定の整理・差し替え/14:50:終盤の逆指値・条件付きの最終点検。
これだけで取りこぼしと誤発注が目に見えて減ります。
用語ミニ辞典(つまずきやすい順)
板寄せ(寄付・引け)
一定時間の注文をまとめて一度に約定させる方式。
直前の成行・大口で価格が飛びやすいので、指値は余裕を持たせます。
呼値単位
価格の刻み幅。
現在値レンジにより刻みが変わるため、入力が合っていないとエラーになります。
値幅制限
1日で動ける上限・下限。
上限付近は買いが通らない、下限付近は売りが通らないなど、方向で挙動が異なります。
まとめ
ポイント
- 成行・指値・逆指値が核。条件は必要な場面だけ追加。
- 時間は前場9:00–11:30/後場12:30–15:30。15:25–15:30の切替に注意。
- 寄付・引け・大引け・指成・大引指成・IOCは当日限り。PTSは当場のみ有効。
- 受渡はT+2。通知ON、分割発注、早めの配置で事故を減らす。


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