株の勉強

【薬剤師の目で読むドラッグストア】儲けの式とKPI超入門

ドラッグストアの決算を理解したいんですが、式が苦手なんです。要は何を見ればいいんですか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
見るのは3つだけ。売上・粗利率・販管費。まとめると営業利益=売上×粗利率−販管費。ここが入口。

 

本記事は、ドラッグストアの収益構造を「儲けの式」と主要KPIで最短理解するPV向けガイドです。

専門知識がなくても、決算資料をどこから見てどの数字を追うかが分かります。

 

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儲けの式(ドラッグストア)を一行でつかむ

まず最初の「式」を教えてください。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
基本は「営業利益=売上高×粗利率−販管費」。売上と粗利、販管費のどこで勝つかを先に決めるのが戦略なんだ。

 

売上の分解:客数×客単価×購買頻度

既存店の基調は「客数」と「客単価」のかけ算で確認します。

新店効果と退店影響は切り分けて、既存店のトレンドを素直に追うこと。

調剤を併設している企業は「物販」と「調剤」を分けて見ると変動要因が整理できます。

 

粗利の源泉:カテゴリミックスと価格戦略

粗利率は「カテゴリミックス」「PB(プライベートブランド)比率」「販促・値引き」の三点で動きます。

衛生・化粧・食品などの構成比が変わると、全社の粗利率も連動して変わります。

PBは原価コントロールと差別化の軸です。

PB強化は粗利率の底上げに直結します。

 

 

販管費の主要ドライバー:人件費・家賃・物流

人件費率は店舗オペレーションと自動化で差が出ます。

家賃比率は出店立地や店の大きさに連動

物流費は共同配送や在庫配置で効率化の余地があります。

 

在庫回転とキャッシュの感度

在庫回転日数はキャッシュ創出力に直結します。

日配・食品の比率が上がると回転は速くなりますが、ロス管理の厳格さが求められます。

医薬品は適正在庫の見極めが肝心です。

 

KPI超入門:決算で最初に見る指標

どのKPIからチェックすれば迷いませんか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
順番を固定しよう。既存店→粗利率→販管費率→在庫回転→セグメントの順で毎回同じ型で見るんだ。

 

既存店売上高前年比

  • 客数と客単価の内訳でブレの原因を特定する。
  • 天候・インバウンド・季節商品の一過性要因は注記で切り分ける。
  • 新店効果と比べて既存店の持続性を評価する。

 

粗利率(商品別・PB比率)

  • カテゴリ別の粗利率と構成比で全社の方向性を読む
  • PBや価格政策(EDLP/ハイロ―)の影響を注目する。
  • 調剤の割合が高い企業は物販と分けて比較する。

 

販管費率(人件費・家賃・物流)

  • 人件費率は採用難・自動化・営業時間の見直しで感応度が高い
  • 家賃は商業立地かロードサイドかで傾向が変わる
  • 物流は共同配送・センター統合の計画に注目する。

 

在庫回転(日数)と値下げロス

  • 回転が速いほどキャッシュ創出に寄与するが、欠品リスクと表裏一体。
  • 季節商材は在庫の山谷と値下げロスをセットで確認する。
  • 医薬品はリードタイムと出荷調整の影響を把握する。

 

セグメント別KPI(物販/調剤)

  • 物販:既存店・粗利率・販管費率・在庫回転
  • 調剤:処方箋枚数×1枚単価×在宅の構成で収益性を把握。
  • 会社合算では見えにくいので、必ず分けて比較する。

 

よくある勘違いと回避策

数字の見方でつまずきやすいポイントは?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
一時要因と構造要因の混同だ。決算説明資料の脚注とセグメント明細で必ず裏取りするんだ。

 

勘違いと判断基準

  • 「既存店がプラス=全面好調」と短絡しない。客数と客単価の内訳を確認する。
  • 粗利率の低下を「値下げの失敗」と決めつけない。カテゴリミックスの変化を検証する。
  • 販管費率の上昇を「効率悪化」と断じない。投資起因(一過性)かの切り分けをする。
  • 在庫回転の改善だけを追わない。欠品率・売上機会損失も点検する。

 

次の一歩:決算資料の読み方(型)

今日から何をダウンロードして、どこを見ればいいですか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
毎期同じフォルダに「短信」「説明資料」「データブック」を保存型どおりにKPI表を埋めるんだ。

 

収集の順番

  • 決算短信:売上・売上総利益・販管費・営業利益。前年同期比をメモ。
  • 決算説明資料:既存店・カテゴリ構成比・PB・物流・出店計画。注記事項を確認。
  • 有価証券報告書・統合報告:セグメント方針、人件費・賃借料の内訳。長期の方向性を把握。

 

メモの型(コピペして使える)

  • 既存店(客数/単価):— / — の要因。
  • 粗利率:カテゴリミックス/PB/値引き。
  • 販管費率:人件費/家賃/物流。
  • 在庫回転:在庫政策/ロス/欠品。
  • セグメント:物販/調剤の差分。

 

まとめ

ポイント

  • 儲けの式は「売上×粗利率−販管費」。どこで勝つかを先に決める。
  • KPIは「既存店→粗利率→販管費率→在庫回転→セグメント」の順で固定化する。
  • 一時要因と構造要因を混同しない。脚注と明細で裏取りする。

 

読む順番が分かりました。次回からこの型で見ます。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
いいね。各社の方針差も拾えるはずだ。定点観測で精度を上げよう

 

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