

結論:医療系の校閲・監修は「読み筋→ファクト→禁則→表記→差分ログ」の5レーンを固定し、1本あたり“90分×2セット”で完走させる。
一次/公的を最優先、本文は結論+条件、細部は脚注に逃がす。
差分はコメントIDで集約し、検収観点をセットで返す。
1. 全体フロー(5レーン固定)
- 読み筋:読者像/目的/見出しの整合を先に判定
- ファクト:公的→一次→二次の順で根拠確認
- 禁則:医療広告GL/薬機/PR表記/個人情報
- 表記:数値半角/用語統一/比較の条件明記
- 差分:コメントIDで変更理由と根拠を集約


2. 読み筋チェック(1次元目)
はじめに“誰に何をさせるか”を1行で固定する。
読み筋が決まると以降の判断が速くなる。
- 読者像:一般/患者/医療従事者のどこか
- 目的:認知/理解/行動(受診・相談・自己管理)
- 導入:冒頭100字でゴールを宣言
- 見出し:H2×5の役割を明確化(重複を排除)
- 要約:各H2の結論を1行で先頭に置く


3. ファクトチェック(2次元目)
- 優先順:公的>一次>二次
- 抽出:対象/期間/デザイン/アウトカム/限界
- 本文:結論+条件のみ。数字は最小限
- 脚注:著者/年/誌名/タイトル/URL or DOI(形式統一)
- 更新:最新版で差し替え。差分ログを残す
脚注テンプレ
[1] 著者. 年. タイトル. 誌名/発行者. DOI/URL(対象n/期間/主要アウトカム/限界)
※注釈が切れて見える場合はスクロールしてください(スマホは横にスワイプ)。


4. 禁則チェック(3次元目)
- 断定回避:効果を断言せず条件を明記
- 比較表現:前提条件(対象/期間/用量)を本文に残す
- 体験談/ビフォーアフター:原則避ける(要件を満たす場合のみ)
- 薬機法:誇大広告/承認前広告は不可
- PR/広告:有無を明示(ステマ規制に配慮)
- 個人情報:診療情報は匿名化でも公開しない
※医療広告GLは最新版の「事例解説書」を必ず参照(厚労省)。広告該当性(誘引性・特定性)を確認。
※薬機法:誇大広告の禁止(第66条)/承認前広告の禁止(第68条)。違反は行政処分・課徴金等の対象になり得る。
5. 表記統一(4次元目)
- 数字:半角、西暦で統一
- 用語:薬効/安全性/用量は語彙リストで固定
- 句読点:。の直後は改行(可読性を優先)
- 単位:mg、%、回/日などの表記統一
- 図表:表題/注記/出典の3点セット


6. 差分ログ(5次元目)
差分は「コメントID+変更理由+根拠URL」の3点セットで1画面に収める。
戻し作業を最短化できる。
- ID:#01〜連番。章ごとに範囲を明記
- 変更理由:誤り訂正/トーン調整/表記統一の別
- 根拠:URL/DOI(脚注番号も併記)
- 結果:OK/保留/要相談のステータス
- 納期:一次フィードバックの締切をセット
差分ログ テンプレ
#03(H2-受診目安) 修正 理由:比較条件の明示不足 → 追記 根拠:脚注[2]/DOI:xxxx 結果:OK(9/23 23:00 JST)


7. 90分×2セット運用(時間の型)
- セット1:読み筋→ファクト→禁則を一気に確認
- セット2:表記→差分ログ→検収観点の整備
- 集中回避:45-10法(45分作業→10分見直し)
- 完了条件:H2×5が結論→条件の順で揃うこと


8. 納品カバーと検収観点(そのまま貼れる)
【納品】本文◯字/図表◯/脚注/要約100字 【検収】読者像/目的/禁則(断定・比較・PR表記) 【差分】コメントID#01〜、根拠URL/DOI付き 【期限】一次フィードバック ◯/◯(JST)
※PR/広告の明示は必須(2023/10/1開始のステマ規制:景品表示法)。媒体の掲載基準にも従う。
※個人情報の取扱いは個人情報保護委員会(PPC)の最新ガイドライン/FAQを参照。
※クラウドソーシング経由の案件はエスクロー(仮払い→検収→支払い)前提の手順に合わせると齟齬が減る。
9. よくあるNG→OK(置換例)
断定表現
NG:◯◯は△△に効く。 OK:◯◯は△△の人で××の可能性。条件が合えば□□を検討(脚注)。
比較の誤誘導
NG:AよりBが優れる。 OK:同条件(対象/期間/用量)の試験では主要アウトカムでA<Bの傾向(脚注)。
相対リスクのみ
NG:リスク50%減。 OK:相対50%減(絶対差◯%、n=◯、期間◯)。
10. まとめ(今日やる3つ)
ポイントまとめ
- 5レーン(読み筋→ファクト→禁則→表記→差分)を固定
- 本文は結論+条件、細部は脚注へ逃がす
- 差分ログを“1変更=3行”で集約して検収を早める


最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。