医療系の記事で“根拠が弱い”と言われます。どこからどう集めて、どう書けば信用されますか?

後輩ちゃん

カブヤク
ルートと粒度を最初に固定しよう。公的→一次→二次の順で当たり、本文は結論と条件だけ、細部は脚注に逃がす。
結論:医療系は「探し方の最短ルート」と「書き方の粒度」を決めておくとブレない。
ソースは公的/一次を最優先、本文は結論+条件+注意のみ。
比較は前提条件を明示、体験談は要件を満たす場合のみ慎重に扱う。
1. 原則(ブレない7か条)
- 公的>一次>二次の順で優先
- 本文は結論+条件+注意だけを書く
- 数値は半角、西暦で統一
- 比較は前提条件を必ず明示
- 体験談/ビフォーアフターは原則避ける(要件を満たす時のみ)
- 出典は脚注で統一形式(著者/年/誌名/タイトル/URL or DOI)
- 更新日を明記し、改訂履歴を残す
本文に出典URLを全部貼ると読みにくいです。

後輩ちゃん

カブヤク
本文は読みやすさ優先でいい。URLは脚注に集約、本文は“要点だけ”。
2. ソースの階層(どれを先に当たるか)
- 公的:省庁/自治体/公的機関のガイド/統計
- 一次:査読論文/システマティックレビュー/RCT
- 準一次:学会声明/ガイドライン/ファクトシート
- 二次:教科書/総説/大手医療メディアの要約
- ニュース/SNS:参照は最小、必ず一次へ遡る
※“一次へ遡る”を徹底。二次→一次のチェーンが切れていたら採用を見送る。
一次が見つからない時は?

後輩ちゃん

カブヤク
公的資料や学会ガイドラインを一時根拠に置く。見つけ次第で差し替える前提に。
3. 最短ルート(検索→選別→抜き出し)
3-1 検索
- 公的サイト内検索:省庁/自治体/公的機関のサイト検索でキーワード+pdf
- 論文DB:英語キーワード+疾患名+“systematic review”“randomized”など
- 学会:ガイドライン名+最新版+和名/英名の両軸
- 統計:年次報告の最新版+前年版(差分確認)
3-2 選別(5ポイント)
- 対象(誰に):年齢/基礎疾患/地域
- 期間(いつ):調査年/追跡期間
- デザイン(どう比べた):RCT/観察/レビュー
- アウトカム(何を測った):一次/二次評価項目
- 限界(どこまで言える):バイアス/一般化可能性
3-3 抜き出し(本文は“結論+条件”)
本文:◯◯は△△の人では××の可能性。まずは□□を優先(根拠は脚注) 脚注:著者/年/誌名/タイトル/DOI(対象n=◯、期間◯年、主要アウトカム…)
※切れて見える場合はスクロールしてください(スマホは横にスワイプ)。
本文に数値はどこまで入れる?

後輩ちゃん

カブヤク
意思決定に必要な最小限。細かい表は脚注 or 付録に逃がす。
4. 根拠の書き方テンプレ(そのまま流用)
4-1 断定回避の型
NG:◯◯は△△に効く。 OK:◯◯は△△の人で××の可能性。条件が合えば□□を検討(脚注)。
4-2 比較表現の型
NG:AよりBが優れている。 OK:条件(対象/期間/用量)が同じ試験では、主要アウトカムでA<Bの傾向(脚注)。
4-3 注意/受診目安の型
OK:症状が強い/長引く/持病がある場合は医療機関で相談(救急受診の目安も脚注)。
4-4 脚注フォーマット(統一)
[1] 著者. 年. タイトル. 誌名/発行者. DOI/URL(対象n/期間/主要アウトカム/限界の一言)
脚注にどこまで書くと“しつこく”ならない?

後輩ちゃん

カブヤク
対象/期間/アウトカム/限界の4点だけ。読み手はそこが知りたい。
5. よくある落とし穴(回避のコツ)
- “総説だけ”で完結 → 一次へ遡って要点を再確認
- 結論の一般化しすぎ → 対象/期間の条件を本文に残す
- 最新の覆いが反映されていない → 更新日と差分ログを運用
- 有意差=臨床的に重要 と短絡 → 効果量/絶対差を脚注で示す
- 相対リスクだけ提示 → 絶対値も添えて誤解を避ける
有意差があっても推奨できないケース?

後輩ちゃん

カブヤク
副作用/費用/実装の現実性で“不採用”はあり得る。本文に条件と注意を残す。
6. 図表と引用の最小ルール
- 自作図が基本。他社図表のスクショは原則避ける
- 表題/注記/出典の3点セットを統一
- 比較表は条件列を先頭に置いて誤読を防ぐ
- 図表番号は本文と対応(Fig1/Table1)
- 引用は最小、転載可否は規約で確認
※PR/広告の有無は明示(2023/10/1開始のステマ規制の観点)。媒体の掲載基準に従う。
※個人情報の取扱いは個人情報保護委員会の最新ガイドラインを参照。
画像はフリー素材で十分?

後輩ちゃん

カブヤク
利用規約に合うなら可。出典/クレジットを忘れず、誤解を生む表現は避ける。
7. 医療広告/薬機/個人情報まわりの注意(超要約)
- 医療広告GL:断定/比較/体験談/ビフォーアフターに注意
- 薬機法:誇大/承認前の広告はNG
- 個人情報:診療情報は匿名化でも公開しない
- PR表記:広告/提供の有無を明確に
- 最新版確認:公的資料の更新に追従(差分管理)
※医療広告GLはWeb/SNS/広告面も対象。広告該当性(誘引性・特定性)に留意し、最新版を必ず確認。
※薬機法:誇大広告の禁止(66条)/承認前広告の禁止(68条)。違反は課徴金対象となる場合あり。
どこまで書けば“過不足ない”ですか?

後輩ちゃん

カブヤク
本文は“結論+条件+注意”だけ。疑問が出た読者のために脚注を厚く、が最短。
8. 仕上げのチェックリスト(出稿前1分)
- 本文:結論/条件/注意の3点だけになっている
- 比較:前提条件が本文に明記されている
- 数値:半角、単位と小数点の表記が統一
- 脚注:形式が統一、リンクは生きている
- 更新:公開日/更新日/改訂履歴を明記
わかりました。既存記事の脚注から整えます。

後輩ちゃん

カブヤク
いいね。ソースの階層と粒度が決まれば迷わないよ。
9. まとめ(今日やる3つ)
ポイントまとめ
- 公的→一次→二次の順で最短ルートを固定
- 本文は結論+条件、細部は脚注に逃がす
- 更新日/差分ログ/脚注フォーマットを統一
まずは新しい記事でこの型を試します。

後輩ちゃん

カブヤク
OK。大事なのは“同じ型で回し続ける”ことだよ。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。