

結論:副業の第一歩は就業規則と雇用契約の確認です。
管理薬剤師や公務員は制限が厳しいケースがあります。
最初に「可否の判定→届出/申請→運用ルール」の3点を固め、安心して始めます。
1. まず“自分のルール”を読む(3点セット)
副業の可否は勤務先や雇用形態で異なります。
最初に以下の3点を確認します。
- 就業規則:副業(兼業)・競業避止・守秘義務の条項を読む
- 雇用契約書/労働条件通知書:副業の扱い・勤務時間外の規定を確認
- 職場の運用ルール:申請/届出の様式・承認フロー・問い合わせ窓口を確認


2. 立場別の注意点(管理薬剤師/公務員/派遣・委託)
役職や身分でハードルが変わります。
代表的な注意点を先に押さえます。
管理薬剤師
- 労務・店舗管理の責任が重い。副業で本務に支障が出ない体制が前提
- 競業避止義務の解釈に注意(同一商圏・同業他社の就業は不可のことがある)
- 店印・帳票・在庫情報などの守秘義務を再確認
- 競業避止の有効範囲は就業規則・個別契約・合理性で判断(地域/期間/業務の関連性など)。曖昧なときは人事・法務に文面で確認。
公務員
- 営利企業での副業は原則制限。例外的に“許可/承認”が必要な範囲がある
- ボランティア/公益性の高い活動でも事前の手続きが求められる場合がある
- 所属先の内規と申請フローを必ず確認
※国家公務員:国家公務員法103・104条に基づき許可/承認の枠組み。地方公務員:地公法38条と各自治体の内規に従う(詳細は所属の人事案内を確認)。
派遣・委託(フリーランスを含む)
- 契約書の競業避止や再委託禁止条項を確認
- 稼働時間・在席義務のある契約は副業の時間配分に影響。先に線引き
- 機密保持(NDA)の対象にブログ/ポートフォリオを含むか要確認


3. 申請/届出のやり方(テンプレつき)
職場が「禁止」でも、申請で許可されるケースはあります。
必要書類と説明の仕方を整えます。
- 提出先:人事/労務/上長のいずれか(規程に従う)
- 記載内容:副業の種類・期間・時間帯(夜/土日)・報酬の見込み・本務への影響回避策
- 禁止事項との関係:競業に当たらない根拠、守秘義務順守の誓約
- 安全配慮:就労時間の通算・健康配慮の方針
申請文のひな形(短文)
【副業申請書(例)】 目的:スキル向上と収入安定のため、ライティング/翻訳の業務を希望します。 内容:平日夜(20:00-22:00)・土曜(2時間)を上限。月計30時間以内。 本務への影響:勤務時間外のみ実施、同業他社案件は受けません。守秘義務を遵守します。 健康配慮:週1回の休息日を確保。深夜・連続稼働は避けます。 記載日:YYYY/MM/DD 所属・氏名:____
※切れていたらスクロールしてください。


4. 身バレの仕組みを理解する(住民税・名義・情報の出し方)
「副業が会社に伝わるルート」は複数あります。
回避“確実”ではありませんが、基本を押さえてリスクを下げます。
- 住民税:副業の所得があると課税額が増える。自治体によっては“普通徴収”を選べるが、取り扱いは地域差あり
- 名義:本名/勤務先名の公開は避ける(ハンドルネーム+連絡専用メール)
- 連絡先:個人ドメイン/フリーメールを分ける。勤務先メールは使用しない
- 公開情報:ブログ/ポートフォリオに機密・内部情報を書かない
- SNS:プロフィールから勤務先の特定につながる要素を削る
※住民税は自治体運用や所得区分で取扱いが異なるため、普通徴収を選んでも会社に知られないことを保証するものではありません。必ず管轄の案内で確認してください。


5. 労働時間と健康(通算の考え方)
副業時間は体力と睡眠が前提です。
通算の感覚を持ち、無理のない枠で運用します。
- 週の型:平日夜×2回(各90分)+土曜2時間など、固定の枠で回す
- 締切の置き方:前日仮提出→修正→納品のサイクルを固定
- 休息:週1回の完全オフを確保
- 体調:長時間のPC作業は休憩を挟む。睡眠は最優先
- 繁忙期:枠を“縮小”して守る。受注量を増やして崩さない
※副業・兼業時の労働時間の通算は、労基法38条1項に関する厚労省通達(2020年9月1日)を参照。勤務先の指示に従い、安全配慮を優先してください。


6. 守秘義務と情報セキュリティ(まずは最低限)
医療系の情報はセンシティブです。
ブログや納品物でも守秘義務を徹底します。
- 個人情報:患者・顧客が特定される記述はしない
- 施設情報:運営・在庫・帳票など業務情報は公開しない
- 端末:私物PCにパスワード/OS更新/ウイルス対策を適用
- クラウド:共有範囲を限定。公開リンクの扱いに注意
- NDA:依頼側の指定ツール・表記ルールに従う


7. 副業の形別のリスクと回避策(薬剤師向け)
よくある副業の形と“引っかかり”やすいポイントを整理します。
メディカルライティング/監修
- 競業避止:同業他社の宣伝・比較に関与しない
- 表現:効能断定・効果保証を避け、一般向けの注意書きを添える
- 出典:一次情報/公的情報を優先
医薬翻訳
- NDA:原文の転載禁止。サンプルに使わない
- 用語:社内用語や未公表情報の外部持ち出しをしない
ブログ運営
- 機密:勤務先に関わる数値/体制/施策を書かない
- 収益化:広告/アフィリエイトの表記を明確にする
※業務委託プラットフォーム利用時は、仮払い(エスクロー)後に着手が原則。未払い防止の基本です。


8. よくあるQ&A(最短で判断する)
Q1. 申請が不要なケースは?
就業規則で例外が定義されている場合があります(例:不動産の管理、家業の手伝い、ボランティア等)。
条文の条件を満たすかどうかで判断します。
Q2. 申請は許可/不許可どちらも書面で?
できれば書面かメールで履歴を残します。
更新の度に再申請が必要な運用もあるため、保管フォルダを作ります。
Q3. 在宅単発の小さな仕事も申請対象?
対象かどうかは就業規則の文言次第です。
“継続/反復/有償”の条件があることもあります。迷ったら事前相談が安全です。
Q4. 住民税の処理で完全に身バレ回避は可能?
完全回避は保証できません。
自治体の運用や所得区分で異なるため、過信しないでください。


9. まとめ(今日、決め切ること)
ポイントまとめ
- 就業規則→契約→申請フローの順で可否を判定
- 管理薬剤師・公務員は制限強め。条文と運用を必ず確認
- 身バレは“確実回避”ではない。住民税や公開情報に配慮
- 守秘/NDA/情報セキュリティは最優先。曖昧な案件は受けない


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