先輩、板と歩み値を見るのがまだ不安です…。どこを見て、どう動けばいいか、順番から教えてください。

後輩ちゃん

カブヤク
もちろん。見る順番を固定すれば迷わないよ。板の厚み→最良気配→歩み値の流れで確認して、注文はいつも小口で出して“照会”から寄せていこう。
本稿は、松井証券アプリでの板(気配)と歩み値の読み方を、発注オペレーションにそのまま接続できる形でまとめた実務ガイドです。
前提として、対象は東証の通常取引(単元=100株)を想定します(ETF/REITなど一部は単元が異なることがあります)。
まずは板で「通りやすい値段」を見極め、次に歩み値で「勢い」を確認し、100株×複数の小口を基本に訂正/取消で価格を寄せる手順に落とし込みます。
\最短で安全にスタート/
板の基本|“通りやすい”価格帯を先に見極める
最初に見る3点
- 最良気配…買いの最上段/売りの最下段。ここが抜けると価格が動きやすい。
- 板の厚み…同じ価格帯でも“枚数”に差がある。厚い側は通りやすく、薄い側は滑りやすい。
- 階段(段差)…価格帯の“穴”が大きいと値が飛びやすい。分割発注で割り込みやすくする。
板の厚みで“待つ/攻める”を判断
- 厚い板:価格が安定。焦らず階段指値で寄せられる。
- 薄い板:小さな成行でも値が飛びがち。100株×複数で刻み、深追いはしない。
- 段差が大きい板:ジャンプしやすい。段差の手前に置き、通らなければ取消→再差し。
歩み値の基本|“勢い(テープ)”は後追いで確認
連続約定と出来高の読み取り
- 同方向の連続約定が続く=その方向の主導。逆らうと滑りやすい。
- 出来高の急増は短期の勢いサイン。直近の厚板が抜かれやすくなる。
- 値飛びが出たら一拍おく。落ち着いた帯が見えるまで待ってから寄せ直す。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。
歩み値、つい“今の値段”だけ見てしまいます。連続約定の方向は、どのくらいのスパンで見れば良いでしょう?

後輩ちゃん

カブヤク
数十ティック〜数分の範囲で、同方向に続くかどうかを観察しよう。速いときは“止まるまで触らない”のも選択肢だよ。
典型パターンで覚える|板の“顔つき”3タイプ
① 厚い板(安定型)
- 買い/売りとも枚数が豊富。価格は滑りにくい。
- 有利方向に動いても急伸・急落になりにくい。焦らず階段指値が有効。
② 薄い板(飛びやすい型)
- 価格帯の枚数が少なく、成行で飛びやすい。
- 100株×複数で刻む。歩み値の減速を待って寄せる。
③ 空白混じり(段差型)
- 段差が大きく、最良気配の裏に“穴”。飛びやすく戻りやすい。
- 段差の手前に指値。通らなければ取消→再差しで帯を探る。
実践オペレーション|小口→階段→“照会”で寄せる
買いエントリーの型(例)
- 最良買いの少し上に100株(1本目)。
- 通らなければ最良買い更新に合わせて訂正。上に走るなら100株を追加(2本目)。
- 歩み値が一旦止まれば追撃をやめ、注文照会で位置と残を確認して整える。
売りエグジットの型(例)
- 最良売りの少し下に100株。通らなければ取消→再差しで上側に寄せる。
- 勢いが強いなら100株ずつ段階で利確。逆行の兆しが出たら早めに締める。
※価格を変えたい時は照会→訂正、株数は訂正できないため、必要ならいったん取消→再発注が必要です。小口で刻み、寄せやすい構えを保ちましょう。
サイズの刻み方、イメージがつかめました。照会から寄せると気持ちも落ち着きますね。

後輩ちゃん

カブヤク
そうそう。まずは“位置を把握→小さく動かす”。これが崩れにくい型だよ。
時間帯のクセ|寄り・ザラバ・引け前
寄り
- 寄付成行が多く、初動は荒れやすい。最初から大きなサイズは入れない。
- 板が整ってから階段指値で入り直すと安定する。
ザラバ
- ニュース/先物で一時的に偏る。歩み値の連続方向に注意。
- 材料が続かないなら過度な追撃は避け、帯の中で微調整。
引け前
- 引けに向けて成行が増加。最良気配が埋まりやすい。
- 利確は早めに。持ち越し前は照会で状態を必ず確認。
“見せ板”に注意|表示→取消の頻発は疑ってかかる
- 突然の厚板→即取消は珍しくない。歩み値が伴わなければ信用しすぎない。
- 最良気配だけでなく、2〜3段下(上)の厚みも併せて確認。
- 通らなければ潔く取消。次の帯で100株を差し直す。
\最短で安全にスタート/
ケーススタディ|3パターンで型を定着
Case1:厚い板で順張り
- 最良買いの1〜2ティック上に100株、通ればさらに100株。
- 歩み値が途切れたら追撃停止→照会で位置と残を再確認。
Case2:薄い板で逆張りは慎重に
- 最良買いの2〜5ティック下に100株×2本で階段。むやみに成行は使わない。
- 反転の連続約定が見えなければ待つ。触らない勇気も戦術。
Case3:段差型で利確を刻む
- 段差の手前に利確をセット。通らなければ取消→一段上で再差し。
- 約定が走り出したら、残りは帯の中央に寄せて“落ちない利”を守る。
よくあるつまずきと直し方
- 最良気配しか見ていない…上下2〜3段の厚みを見る。抜かれやすい段差を避ける。
- サイズが大きすぎる…100株×複数に刻む。板の反応を見ながら寄せる。
- 歩み値を見ていない…同方向の連続約定が続くときは逆らわない。止まって初めて逆方向を検討。
チェックリスト(発注前30秒)
- 最良気配とその上下2〜3段の厚みを確認した。
- 100株×複数で出す準備ができている。
- 歩み値の連続方向と出来高の増減を確認した。
- 通らなければ取消→再差しで帯を探ると決めている。
- 照会から位置と残、訂正/取消の動線をいつでも使える状態にした。
まとめ
板は通りやすさ、歩み値は勢い。この2つを順番に見て、小口→階段→照会で寄せれば、コストと滑りを抑えながら実力を積み上げられます。
焦らず、帯の中で呼吸を合わせましょう。
ポイント
- 最良気配の上下2〜3段の厚みを見て“通りやすさ”を判断。
- 100株×複数の小口で階段指値。通らなければ取消→再差し。
- 歩み値の連続約定は勢いのサイン。逆らわず、止まるまで待つ選択肢を持つ。
- 価格の変更は照会→訂正、株数変更は取消→再発注で対応。
まずは“厚み→最良→歩み値”の順で見て、100株ずつ練習してみます。照会から寄せるのも習慣にしますね。

後輩ちゃん

カブヤク
いいね。決めた型を繰り返そう。迷ったら一度フラットに戻して、帯の真ん中から落ち着いて組み立て直せば大丈夫だよ。
\最短で安全にスタート/