先輩、PTS取引を使ってみたいのですが、時間帯や注文方法が少し不安です。基本から教えてください。

後輩ちゃん

カブヤク
要点は「時間」「当場のみ有効」「指値ガード」。夜に材料が出ても慌てないための段取りを一緒に固めよう。
PTS(私設取引システム)は、取引所(東証)とは別の売買システムです。
松井証券ではジャパンネクストPTS(JNX)に接続し、発注時に市場:PTSJを選びます。
帯はデイ(8:20–15:30)とナイト(17:00–翌02:00)の2部制。
引け後の決算・ニュース対応や、日中に時間が取りにくい人に向いています。
\最短で安全にスタート/
1. PTSの基本と「東証との違い」
まず覚える3点
- 当場のみ有効:デイ↔ナイトをまたいで注文は持ち越せません。帯が切り替わると未約定は失効します。
- 連続売買のみ:板寄せ(寄付/引けのオークション)はありません。引け成り等は使いません。
- 指値が基本:成行は使えない/制限があるため、価格ガードは必須です。
メリット
- 引け後の決算・材料に17:00–翌02:00で即対応できる。
- 東証が寄らない、板が偏る局面でも、PTSの気配で先に手当てできる場合がある。
注意点
- 時間帯や銘柄により板が薄い/スプレッドが広い。数量は刻む・成行は避けるが安全。
- 東証の終値や気配と価格乖離が出ることがある。翌日の寄付で埋まる保証はありません。
2. 取引時間とセッションのクセ
松井の取り次ぎ時間(現物)
- デイPTS:8:20–15:30(東証の場中と並走)
- ナイトPTS:17:00–翌02:00(引け後〜深夜)
- 15:30–17:00は休止帯。帯跨ぎで未約定は自動失効。
信用取引の可否
- 信用は日中のみ(9:00–11:30/12:30–15:30)。ナイトPTSの信用は不可。
最短ルートは、全体フローで道筋を確認してから必要な設定へ進むことです。
3. 注文の通り方と設定(松井の仕様)
発注時の基本設定
- 市場:PTSJ(JNX-PTS)
- 注文種類:指値のみ(成行は不可/制限)
- 執行条件:なし/IOC(当たった分だけ即約定、残りは即失効)
- 有効期間:当場のみ(期間指定・「週末まで」は不可)
- 売買単位:原則単元株(100株)。一部10株単位の銘柄例外あり。
板が薄い時の型(テンプレ)
- 数量は小口に分割(例:300株→100×3)。
- 最良気配から数ティック刻みで階段状に置く。
- 歩み値が連続で飛んだらいったん停止→再配置。
4. スマホ最短フロー(買い/売り)
買い(5ステップ)
- 銘柄検索 → 「買い」 → 市場:PTSJ
- 数量(単元/ETF・REITは単位に注意)
- 価格:指値(スプレッドを見て浅く刻む)
- 条件:なし(またはIOC)/有効:当場のみ
- 確認 → 発注 → 注文照会で状態確認(約定/失効)
売り(5ステップ)
- 保有一覧 → 銘柄 → 「売り」 → 市場:PTSJ
- 数量(全部/一部)
- 価格:指値(乖離と飛びに注意)
- 条件:なし(またはIOC)/有効:当場のみ
- 確認 → 発注 → 通知ONで見落とし防止
5. ケース別:決算サプライズ直後の動き方
上方向のギャップ
少量を高めの指値で先に確保、残りは最良近辺に階段指値。
深追いはせず、歩み値が落ち着くまで待って追撃。
下方向のギャップ
“戻り”の最良に合わせて小刻みに買い下がり。
底掴み狙いの成行は避け、価格ガードを崩さない。
\最短で安全にスタート/
6. ミス防止チェック(保存版)
- 数量は刻む:大口1発は滑りやすい。
- 価格は浅く刻む:最良から数ティックで階段状に。
- 歩み値の勢いを確認:止まったら一度撤収→再配置。
- 帯の切替前は撤収:15:30/17:00前に置きっぱなしを残さない。
- 通知ON:約定・失効・重要なお知らせの取りこぼし防止。
7. 受渡し・資金繰り(T+2/T+3の注意)
- 受渡の原則:国内株はT+2。
- ナイトPTSの例外:約定日の扱いによりT+3になるケースがあります(とくに0:00–02:00帯)。資金計画は余裕を持って。
- 入金の前倒し:深夜は即時反映にならないことがあるため、必要資金は事前確保が安全。
8. よくある質問
Q. PTSの価格は翌日の寄付で必ず埋まりますか?
A. 保証はありません。
乖離継続も起こり得ます。
Q. 東証の逆指値はPTSに引き継がれますか?
A. 仕組みが異なるため別扱い。
PTSではシンプルに指値中心が無難です。
Q. ナイトPTSで信用は使えますか?
A. いいえ。
信用のPTSは日中のみ対応です。
まとめ
ポイント
- デイ8:20–15:30/ナイト17:00–翌02:00。帯跨ぎで未約定は失効(当場のみ有効)。
- 連続売買のみ・板寄せなし。成行は使わず指値ガード+分割発注が基本。
- 東証との価格乖離は起こる。歩み値・最良気配の監視を習慣化。
- 受渡は原則T+2。0:00–02:00帯などはT+3の可能性に注意。
時間帯と「当場のみ有効」、指値で刻む理由がよく分かりました。決算直後でも落ち着いて、小口の階段指値で入ってみます。

後輩ちゃん

カブヤク
いい流れだね。板が薄いほど数量は刻む、歩み値が止まってから次の一手、帯の跨ぎは残さない。これだけ守れば夜の材料でも慌てないよ。
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