株の勉強

PEGレシオとは?初心者向けに定義・計算式・目安を解説

PERだけだと、成長性のちがいを比べにくい気がします。何を足せば良いですか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
そこでPEGなんだ。PERを成長率で割って、成長の速さまで含めて“割安/割高”を整えて見るんだよ。

 

PEGレシオは、PERを企業の成長率で調整して比較しやすくするための指標です。

成長が速い企業ではPEGが小さくなり、中立〜割安寄りに見えることがあります。

一方で成長が鈍い企業ではPEGが大きくなり、割高寄りに見えることがあります。

 

30秒で要点|式・ねらい・目安を一発で

  • 定義:PEG=P/E(PER)÷ EPSの年成長率(%)です。
  • ねらい:成長の速さを加味してPERの見え方を整える補助指標です。
  • 目安:おおむね1倍前後が中立で、1未満は割安寄り、1超は割高寄りと解釈します(目安)。

 

ひとことで言うと|成長を加味したPER

PEGは「成長スピードを考慮したPER」です。

まずはPERの意味(株価が利益の何倍か)を押さえます。

次にEPSの年成長率(%)を用意して、PERを成長率で割ります。

 

成長率は売上の伸びでもいいですか?
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
一般にEPSの年成長率を使うよ。利益ベースでそろえると解釈が安定するんだ。

 

計算式と考え方|%の扱いまで迷わない

PEG=PER÷成長率(%)。

 

%の扱い

算式は“%をそのまま分母”で説明するのが一般的です(例:20%→「20」で割る)。

 

考え方

PER(株価÷EPS)は同業比較や時系列比較で使う基礎の倍率です。

PEGはそのPERに“成長の速さ”という速度情報を重ね、評価の偏りをならします。

 

前提:成長率の定義

成長率が0%・マイナス、または赤字期は、PEGが実質的に意味を持たないため解釈しません。

 

例題で計算|手を動かして感覚をつかむ

例1:中立

企業A:PER20倍、EPS成長率20% → PEG=20÷20=1。

 

例2:割高寄り

企業B:PER15倍、EPS成長率5% → PEG=15÷5=3。

 

例3:割安寄り

企業C:PER30倍、EPS成長率40% → PEG=30÷40=0.75。

 

同じPERでも印象がかなり変わりますね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
そうなんだ。数値の裏にある“成長スピード”を合わせて見るのがコツだよ。

 

自分の監視銘柄でも、同じ表で計算してみましょう。

 

使い方のコツ|同業比較・時系列・注意点

同業比較

  • 業界ごとに成長水準が違うため、まずは同業内で相対比較します。

 

時系列比較

  • 同じ企業でも、景気局面や投資局面でPEGは動きます。

 

注意点

  • 四半期の単発成長や臨時要因を年成長と混同しない。
  • 0%やマイナス成長のときはPEGを使わない(実質的に意味を持たない)。
  • PEGだけで結論にせず、複数指標をセットで見る。

 

グロース株とバリュー株|“見えすぎ/見えなさすぎ”をならす

グロース株の見方

成長率が高く、PERも高くなりがちです。

PEGを使うと、成長の速さを踏まえた“割高に見えすぎ”のズレをならせます。

 

バリュー株の見方

PERは低くても成長率が低いことが多いです。

PEGでならすと、割安に見えすぎるケースを避けられます。

 

ズレの理由を探す

なぜ1未満か、なぜ1超か。

ズレの理由(投資局面、業績の一時要因、会計方針など)を注記で確認します。

 

どちらのタイプでも、1倍からのズレ理由を見るのが大事なんですね。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
その通りだよ。理由まで掘ると上達が早いんだ。

 

データの集め方|無料で押さえる

PERの取り方

  • 証券会社の銘柄ページで確認できます(指標欄に掲載)。

 

EPS成長率の求め方

  • 会社予想やアナリスト予想の「今期→来期」で概算します。
  • 年率換算や算出基準はサイトごとに差があるため、注記を読みます。

 

管理表の作り方

  • 列は「銘柄/株価/EPS/来期EPS/成長率/PEG」で作ると便利です。

 

予想値の注意

  • PEGは“予想”に依存します。前提が変われば数値も動く点を覚えておきましょう。

 

よくある勘違いベスト3|ここだけは外さない

  • 成長率が0%やマイナスのときに無理にPEGを語ってしまう。
  • 売上成長率とEPS成長率を混同してしまう。
  • 特益・特損でゆがんだEPSをそのまま使ってしまう。

 

関連指標と次の一歩|基礎に戻って精度を上げる

基礎に戻る

まずはPERの意味と計算に戻って、倍率の基礎を固めましょう。

👉 PER(株価収益率)

 

まとめ|今日から使う着眼点

ポイント

  • PEG=PER÷成長率(%)で、成長の速さを加味して評価を整えます。
  • 1倍前後が中立の目安で、1未満は割安寄り、1超は割高寄りです(目安)。
  • 同業比較と時系列で使い、0〜マイナス成長や臨時要因に注意します。

 

要点は掴めました。自分の監視銘柄でPEGを計算してみます。
後輩ちゃん
後輩ちゃん
カブヤク
カブヤク
いいね。分からなくなったら、PERと成長率に戻ってもう一度整えよう。

 

学びを実務に活かす準備ができたら、次の手順へ進みましょう。

 

\市場の反応をリアルタイムで追う準備を/

 

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