

サーキットブレーカー(CB)は、先物・オプションの価格が所定の条件に達した時に売買を原則10分間止め、板寄せで再開する制度です。
国際的には1987年のブラックマンデーが整備の契機。
日本でも先物・OP(大阪取引所)で採用されています。
一方で現物株式はCBの対象外。
代わりに特別気配・連続約定気配・日中売買停止(DCB)などで乱高下を抑えます。


サーキットブレーカーのしくみと対象
対象と基本の流れ
対象 | 市場 | トリガーの例 | 停止時間 | 再開方法 |
---|---|---|---|---|
日経225先物・TOPIX先物 など | 大阪取引所(デリバティブ) | 価格制限値幅に到達 等 | 原則10分 | 板寄せで再開(必要に応じ制限幅を段階拡大) |
現物株式 | 東証(現物) | 特別気配・連続約定気配・日中売買停止(DCB) | 状況に応じて | 板寄せ等で安定化を図る(CBではない) |
最短ルートは、全体像を押さえたうえで「値幅制限」と「再開パターン」をセットで理解することです。
トリガー:価格制限値幅に到達 等
前営業日の清算値から定められた「価格制限値幅」に到達する等の条件で、対象銘柄の売買を原則10分停止します。
停止後は板寄せで再開し、必要に応じて制限値幅を段階的に拡大。
時間帯などの例外規定もあります(例:立会終了前20分など)。


実例でイメージ:2025/4/7の先物CB
2025年4月7日朝、日経225先物・TOPIX先物でサーキットブレーカーが発動(10分停止)。
同日、日経平均(現物指数)は一時-8.8%まで下落しました。
再開後は板寄せで価格を付け直し、断続的に荒い値動きが続く—という典型パターンです(急落・急騰のいずれ側でもCBは作動し得ます)。
再開直後の値動きの型
- 再開直後に売り(または買い)が再集中し、もう一段伸びる。
- 一巡後に「押し目/戻り」を試すが、根本要因が大きいと戻りは限定的。
- 複数回のCBが連続すると、ボラティリティはさらに拡大しがち。


投資家の対応:冷却時間の使い方
発動時にやること3つ
- 背景の即時確認:公式発表・主要メディア・為替/先物・ボラ指数。
- ルール運用:事前に決めた損切り・一時撤退・縮小をそのまま実行。
- 板寄せ観察:再開直後の需給(板・歩み値)を見て、飛びつかない。
平時からの備え
- 分散と余力(現金・債券)で「動ける」体勢を維持。
- レバレッジは控えめ。逆指値・返済予約など自動執行を活用。
- ニュースに偏らず、一次ソース(取引所・当局)を優先して確認。


よくある質問(FAQ)
Q. サーキットブレーカーは“必ず10分”止まる?
原則10分停止ですが、時間帯などにより例外規定があります。
最新の取引所ルールを確認しましょう。
Q. 価格制限値幅はいくら?固定?
銘柄・限月・相場状況等で異なり、見直しが入ることがあります。
毎回、取引所公表の一覧で確認しましょう。
Q. 現物株にもサーキットブレーカーはある?
名称としてのCBは現物にはありません。
特別気配・連続約定気配・日中売買停止(DCB)が価格安定化の役割を担います。
まとめ
ポイント
- CBは先物・OPの急変時に売買を一時停止し、板寄せで再開する安全弁。
- 現物はCBではなく、特別気配・連続約定気配・DCBで安定化。
- 停止中は情報整理、再開直後は飛びつかず需給確認が鉄則。
- 平時からの逆指値・分散・余力が最大の防御。
- 制度は更新され得るため、最新の取引所ルールを参照。


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